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Arch to Hoop初のアニュアルレポートを発行しました

みなさん、こんにちは。
Arch to Hoop沖縄・事務局長の勝田です。

平素より、Arch to Hoopへ温かいご支援とご協力をいただき、誠にありがとうございます。
法人設立から1年が経過し、2024年度も様々な挑戦を続けてまいります。

これまで子どもたちとのイベントも含め、新たな試みを実行した後はいつも振り返りをして、よかったこと・改善点・次に活かすことを整理してきました。

そういった中で、ある特定のタイミングで何を実行したか(点)、それらが持続的でビジョンから逸れていないか(線)、そしていかに多方面に影響を及ぼしているか(面)、という3つの視点を意識して活動を推し進めています。

特に2023年度は法人設立期でもあったため、まずは点をつくる。一点突破する。その後、近くにもうひとつの点をつくることに集中してきました。これらの点と点を結びながらビジョンへ向かった線にするために、わたしたちはアニュアルレポートの作成に取り組むことにしました。

Arch to Hoopはどんな想いで事業をしているのか、1年間どんな活動を行ってきたのか、参画した子どもたちや大人たちがどう感じているのか、
ご興味をお持ちくださっている方々へじっくりとお読みいただけたら幸いです。

noteでは、特にお伝えしたい内容をダイジェストとしてお送りします。

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理事たちの想い

(左)代表理事:民秋、(右)理事:金城

民秋 清史(代表理事)

「日本死ね」という言葉を、数年前にインターネットで見かけました。それはコミュニティーが失われ、どこに助けを求めていいか分からない人の悲痛な叫びのようでした。私たちを取り巻く社会課題は、行政だけでは解決できないほど複雑化しています。そんな状況下でも、世の中を憂い、悪者を探すのではなく、目の前にある課題に向き合う人たちと出会う幸運に恵まれました。沖縄で子どもたちの孤立をなくす活動をしているNPO法人ちゅらゆいの金城さんもその中のひとりです。彼らと一緒にArch to Hoopを立ち上げました。この団体は、バスケイベントや会社訪問などを通じて、子どもたちに幅広い体験と出会いを提供し、人生の選択肢を増やすことを目的としています。いまの日本に必要なのは、ひとりでも多くの人の当事者意識なのではないでしょうか? Arch to Hoopは、地域とNPOと企業の連携のための架け橋です。社会課題に関心がある人が、わずかな時間でも活動に参加できるような環境が整えば、子どもたちがあきらめることなく、自分の可能性を広げられる未来をつくることができる。
そんな明日を想い描いて、私たちは活動しています。

株式会社モルテン 代表取締役社長

金城 隆一(理事)

Arch to Hoopで初めてバスケイベントを行った時のこと。ちゅらゆいが運営する居場所の女の子を見てモルテンメンバーが絶賛した。「あの子、運動能力群を抜いていますね」。カナは1ヶ月後には中学校に入学する予定だが、中学では部活に通うことができない。沖縄の部活は週末試合があると保護者の送迎が必要になる。しかしカナの家庭はそれができない。もちろん経済的な理由もある。こうしてカナは部活に入ることをあきらめた。これが体験格差によって可能性が奪われる状態だ。
Arch to Hoopが目指すのはカナのような子どもの体験が奪われない社会を作ることである。これまで日本社会は自己責任論によって家庭の責任にし、この問題を放置してきた。そして沖縄の子どもの貧困率は29.9%に達した。格差により、子どもたちの可能性が奪われない社会にしたい。そして子どもたちに大人から与えるだけではなく、一緒に成長できるような、そんな活動を多くの企業と作っていきたい。

NPO法人ちゅらゆい 代表理事

課題解決に向けての第一歩

貧困や社会的孤立の中心には『体験格差』という問題があります。この格差によって将来の選択肢が制限され、次世代に課題を引き継ぐという負の連鎖の中に身を置く子どもたちがいます。一方で、大人たちはこのような状況にすら気づけない、気づいてもどうしたらいいか分からない、という問題もあると認識しています。
昨年の様々な活動を通して、『体験格差』という問題は、子どもたち同世代間にある格差として捉えるのみでは不十分で、世代を超えて格差が連鎖すること、格差が固定化していく可能性まで含めて向き合うことが重要だと気付きました。

Arch to Hoopは、子どもたちの日常を支えるNPOと、非日常的な体験を届ける企業の架け橋となり、子どもだけでなく大人にとっても新たな気づきや成長のきっかけになるような取り組みにしていきたいと考えています。

日常と非日常が連動する活動概念図

主活動であるバスケイベントでは、以下の3点を大事にしています。
1)フラットな空間での社会交流
2)する・みる・ささえるといった多様な体験
3)スポーツから生まれる「感情の揺らぎ」

レポートでは、沖縄で開催されたFIBA バスケットボールワールドカップやBリーグオールスターと絡めたイベント模様やメディア掲載実績も載せています。

バスケイベントの様子

子どもたち・大人たちの声

子どもたちの声

ただ大人たちとバスケットボールをするだけでなく、最初にコート設営から手伝い、みんなのためにコーヒーをつくったり、試合を盛り上げるMCをしたり。それらを強制ではなく、自分が得意なこと・やりたいことをみつけながら参加してもらっています。

大人たちの声

子どもたちの日常を支えている連携団体のスタッフの方々に、Arch to Hoopという非日常体験の前後で子どもたちがどう変化しているのか、毎回ご意見とご指摘をいただいていますので、一部をご紹介しています。

そして、昨年度は株式会社麻生が属する麻生グループの方に参画いただきました。実際にイベント運営にも携わった総務人事部の佐藤さんからもコメントを頂戴しています。

Bリーグオールスターでのイベント運営の様子

株式会社 麻生 総務人事部 副部長
佐藤 由利子さん

「スポーツを通じて、大人と悩みや問題を抱えている沖縄の子ども達の架け橋になる」このフレーズを伺った時に、最初は一緒にスポーツを楽しむイベントという印象でした。でも、実際に活動内容を知り、私自身も参加したことで、 問題の本質が、経験の不平等が価値形成の喪失に繋がることだと感じました。私たちにとって日常的なことでも環境が変わると非日常になり、継続することで日常になっていく。当たり前が当たり前でないこと、私も実際に沖縄の子供たちと活動してみて 改めての気づきとなりました。
今回、麻生の若手社員にも視野を拡げてもらいたくて一緒に参加してもらいましたが、思った以上に良い刺激になった様です。
子ども達との交流を通じて、どの様に接することが良いのかなど思考を巡らせ、また他企業の同年代の社員の方との交流を通じて自社とのギャップを知ってもらい自分発信をしてもらう。この様な機会を 今後も継続していきたいと思っています。

おわりに

Arch to Hoopは少数のチームで、メンバーそれぞれに本業がある中で日々少しずつ前進させています。わたしたちにとって、この12ページに渡るアニュアルレポートは大作であり、メンバー間で対話を繰り返しながらようやく発行に至りました。

この1年を通して、Arch to Hoopの姿勢に共感を得て、参画いただける方々が少しでも増えたり、新しい気づきをお届けできればと思っております。

Arch to Hoopへの参画はどんなかたちでも構いません。
皆さんができること、できるかたちで。

参画の方法

皆さんの参画を心からお待ちしています。
お気軽にお問い合わせください。


そして、ぜひご一読いただいた感想をSNS等にシェアいただけますと大変嬉しいです。今後のレポート作成において、参考にさせていただきます。

最後に、今回のレポート作成に尽力いただきましたデザインイノベーションおきなわ(DIO)の繁田謙さんと大城直也さんに改めて御礼申し上げます。
ありがとうございました。

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直近では、11月と12月にそれぞれイベントを計画していますので、近日中にご案内させていただきます。
今後とも、Arch to Hoopを何卒よろしくお願い申し上げます。

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<執筆者プロフィール>
勝田 駿平
(一社) Arch to Hoop沖縄 事務局長
1994年、広島県出身。2018年に(株)モルテンのスポーツ用品 技術開発部に入社、 2020年にバスケットボールの普及と強化を目指す新規事業 B+ (ビー・プラス)推進部に異動。モルテンで新規事業の推進を担いつつ、Arch to Hoop の立ち上げメンバーとして活動し、事務局長を務める。

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