アリス・コード ~wind of kowloon~9 それぞれの想い

公安局上層部 公安局長 紅麗 は
眼鏡をかけ直し、高層ビルから
魔都東京の外を眺めている。
紅麗「何故だろう、、胸騒ぎがする」
紅麗の携帯端末が鳴り響く
紅麗「非通知、、、？」
紅麗が電話に出るそして目を見開き驚愕する

「我々が悠月、そして捜査一課の露暗、奪還屋代表比蘭、その妻、朔螺を拉致した」

「返して欲しければ我々にアリス・コードを持つ
   黒宮有珠を差し出す事
  そして公安局が隠している
雅落の血のオリジナル差し出せ」

「我の名はメシア、世界を救う者なり」

「要求は以上、もし一週間以内に要求が飲めない場合、全員の命はないと思え」
　

それが難攻不落、犯罪が蠢く九龍城に住む
魑魅魍魎を超えた最強の黒の存在
滅紫亜(メシア)と名乗る者からの脅迫だった


公安局大会議室
公安局局伝承課の面々、そして捜査一課の京条、
朧屋の面々も深刻な顔をして見合わせていた。
紅麗はひとつため息をつき皆に事の行きさつを話す。
京条「公安局長、なぜ我々が雅落の血を
　　　隠し持っていたのですか！？」
紅麗「政府からの命令には逆らえなかった、、
　　　全てをはなそう、京条
　　　雅落の身体には特別な力があり
　　　政府の科学者達が調べた結果
　　　雅落の血は魑魅魍魎にとって
　　　救い、どんな難病でも飲めば治る
　　　特効薬になる事がわかり
　　　我々、人間は雅落の血を使い
　　　今まで魑魅魍魎と人間が争わないよう
　　　これを取引に使っていた、、
　　　今まで黙っていてすまない、、、」
紅麗「奴らはきっとオリジナルの雅落の血を奪い
　魑魅魍魎達の覇権を握るに違いない
　そして、伝承課の黒宮の中にある
　アリス・コードを使い、月を消してしまえば
　滅紫亜の思う壺だ、、、みんな今まで
　隠してすまなかった。」
有珠「局長、、、」
紅麗「黒宮、、そしてもう一人、奪還屋の有朱
　　　皆を救う為に我々の作戦に協力してくれ」
紅麗「メシアの正体がなんなのか、、
　　　わたしにも検討がつかん、そして
　　　京条を襲ってきた玄武、白虎の力量は
　　　人間の力を超えている。」
紅麗「朧屋の諸君、
　　　あなた方にも手を貸して欲しいこれは
　　　国家機関に関わる最大の問題なのだ。」
令夜「そんな上の意思なんて関係ない、
　　　俺は兄貴と姉さんを救い出す！」
待宵「久々にわたしも動きましか、蒴蜾さんが心配です。赤子の事もありますからねえ」

有珠「廻光、、いや、有朱はどうする？
          わたしの気持ちは決まったわ。」
有朱「私は、、比蘭や貴女のお陰でまた生きる力を、愛する事の意味を教わったわ。そして、朔螺さんに宿っている命を救わなきゃいけないわ」　

有珠「私も貴女のお陰。白い部分を分けてもらったからこそ、、、
私は露暗を愛する事が出来たわ。
私は露暗を救わなきゃいけない。そしてみんなも」
有珠「局長、私は露暗を救います。国がどうとか、じゃなく。私は露暗を愛しておりますので」
紅麗「お前達、、、」
望「私も行きます、、、！今のお兄ちゃんならこんな世界を望んでない！私も行きます！」
臨「私も参りましょう、黒宮さんが心配ですので」
鎬「今回は私もいこう、、、救わなきゃならん
       そして孫の顔も見たいからねえ〜」
ジーコ、PC端末構えながら
「ミーのプログラミングなら
   九龍城の入り組んだ見取り図も電子扉も
   開けちゃうのーね、有珠！ミーもついてくね！」

京条「私は借りを返すやつがいるからね！
          あいつ、玄武だけは必ず逮捕する！！」

有珠「みんな、、、ありがとう！！」

紅麗「では、作戦内容の確認だ
公安局はメシア、及び四神を名乗る
魑魅魍魎達の逮捕、奪還屋の朧屋の皆様は
囚われた3め、、いや4名を奪還せよ。」

紅麗「私も同行しよう。
そして必ず我々は取り戻そう。大切な者達を」

有珠、ジーコ、臨、望、鎬。そして
奪還屋、有朱、令夜、待宵は
それぞれの思いを乗せ、、敵の陣地
九龍城へ向かう、そしてこの中の1人が
この事件を解決する為、誰かが犠牲になる事は
この時、まだ誰も知らなかった。

果たして、
有珠達は囚われた悠月達を救う事が出来るのか？

つづく