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アリス・コード wind of kowloon 11 朱雀とタオ

別ルートを辿る、奪還屋の面々
有朱と待宵、令夜は細い路地を抜け
小さな入り組んだ階段を見つけた。
令夜はジーコからもらった位置情報を確認する
令夜「この先に兄貴と姉さんがいる、急ごう!」
待宵と有朱は大きく頷き階段を上がっていく
するとそこは大きな部屋になっている部屋には
様々な武器が立て掛けられていて重々しい雰囲気が漂っていた。
朱雀「やっときやがったか、待ちくたびれたぜ」
不気味な笑みを浮かべ、二刀の日本刀を肩にかけ
気だるく朱雀がボヤいた。
有朱「貴方、、四天王ね、調べたの貴方の事
          朱雀、、いや本当の名前は"タオ"
          貴方は自分の子供を人間に殺されて、、
          メシアの力と契約して"血を吸う能力"を得た
          しかし、血を吸う事で得られたのは
   強靭な身体能力と
          狂気に満ちた、もう1つの別人格
          それが朱雀、、、」
朱雀「あーははは!!ご名答だよ!お嬢さん!
          そう!タオが弱かったから!俺はこうして
          生まれたんだ!タオの憎しみ!悲しみ!
          ずっと俺だけ痛くて!苦しくて!!
         俺はお前たち人間が憎い!月の力を
         持ったお前たちが!!だから全部、、!
         お前たちの血で全てを朱く染めてやんよ!」
朱雀が有朱達との距離を一気に詰めると
振りかざした大剣が有朱を目がけて斬りかかる
間一髪、それに気付いた待宵は印を組む
「我は放つ、陰陽の言霊を!陽の力より
   閃光を我が手に!!破ッ!!」
待宵の手が太陽の様に輝き朱雀の目を眩ませた
朱雀「くそ、、、!目がみえねぇ!!」
続け様、次は令夜が印を構えた
「口上略式!捕縛!」
朱雀「か、身体が、身動きが取れない!?」
令夜「いまだーっ!!有朱!朱雀、いやタオさんの心を悪しき心から"拒絶"させるんだ!」
有朱「いきます、、、!そして比蘭さん!
   貴方の言霊!お借りします!!」
有朱「我は発する拒絶の言霊を
 悪しき心から其方を解放し導く!悪意拒絶!」
朱雀「ぐああああ!やめろぉ!俺の心は、、
   全部ぅ、、、くそがーっ!!」
朱雀の精神が拒絶されタオの意思が現れ始める
タオ「私は、、、そうか、苦を逃れる為に
   あんな契約を交わしてしまったのか、、
   朱雀、辛かったな、お前は俺の一部
   精神が別れた俺の黒い部分だ。
   ゆっくり休みな、、、朱雀」


有朱「タオさん、おかえりなさい」
タオ「奪還屋の皆様、、、
   ありがとうございました。
   私を紅き呪いから解放してくださった
   しかし、、私は罪を償います。
朱雀は多くの人間を、、、殺めてしまった」  

有朱「タオさん、、教えて?
   メシアとは何者なの?メシアは一体
   この九龍城で何を企んでいるの?」
待宵「玉の正体、是非教えてほしいですね」

タオ「私もにわかに信じがたいのですが
   メシアは、、魑魅魍魎の始祖で
   大昔、人間と争いを繰り返しておりました
 しかし、メシアはある言霊使いによって
 この地に封印されていたのです。
 その名は風来、、、元、反照の王
 雷絡の血族がそのメシアを封印したのです。」

令夜「雷絡って、、あの雷絡さんかよ!」

タオ「風来はメシアの精神を封印し
 私達の祖先に九龍城を守る四神の血族に
 メシアが封印から解かれない為に
 この九龍城を守って欲しい
 しかし、それを良く思わない悪意によってメシアは、、その精神の封印を解かれてしまいました。」

タオ「メシアの封印を解いた者、それこそが、、」

タオが遠くに光るものを捉えた

青龍だ、スコープから覗く冷たい目は有朱を
捉えていたその視線に気付いたタオは
有朱を庇うためにタオが駆け寄る

タオ「お嬢さん!あぶない!!」
有朱「えっ?」

青龍「アリス・コードは我々が頂く」

銃声が九龍城の建物に木霊して響き渡る
その音が不協和音の様に絡みつく
月の光が届かない新月が近づき始める。

つづく

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