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アリス・コード ~wind of kowloon~⑧美優の奪還依頼

新宿、歌舞伎町。朧屋の部屋には静けさと
緊張が張り詰めている。
あの超人気アイドルユニット PRM(ぷらいまる)8
のバンシーが何故、ここにいるのか
朧屋の皆には解りにくい状況であった。
バンシー「あのー、バンシーじゃなくて私、本名は美優と言いましてですね、、、実は奪還屋さんに頼みたい事があって参りました。」
令夜「依頼、、、ですか!?」
令夜の目はいつも以上に輝いている
「バン、、いや!美優さん任せて下さい!
   私、朧屋のスーパーエリート令夜に任せてもらえれば、、」
一同は首を横に振り、話を戻した。
比蘭「で、俺達から
          何を取り返して欲しいんだ?」
朔螺「私達はプロよ、普段は猫探しだけどね」
待宵「ぜひ、お聞かせ下さい」
美優「実は私の祖先は、言霊や宝具を使用し魔を浄化する 憑物落としの仕事を生業としてまして」
令夜「えっ!?
      という事は美優さんはその憑物落とし末裔?」
美優「ええ、、私も少しですが言霊を使えます
           私がアイドルになった理由としては
           言霊を元気の力に変換し、生きる者に
          活力を見出す為に、歌を歌っております。」
比蘭「まるで反照の唄の巫女さんみたいだねえ」
美優「しかし数週間前、私の家から
   先祖代々から伝わる。
   魔を浄化する事が出来る笛"桃幻"が何者か
   に強奪されてしまいました。」
蒴螺「笛、、、ですか。」
美優「桃幻の笛、清い心の者が吹けば確かに
魔を浄化する事が出来る宝具なのですが、、、」
比蘭「邪心を持った者が吹くと魔を呼び
   聞いた者は巣食われる、、、か」
美優「あれ、、?何故、貴方がそれを、、?」
比蘭「昔、その笛の持ち主に
   別件で依頼された事があってよ
   まさにあの依頼を思い出すとは、、
   ひょっとして
   美優さん、あんたのお婆ちゃん、、
   光美さんだな?」
美優「はい、お婆様から良く話は
   聞いておりました、比蘭さんの事」
美優「お婆は、、亡くなりました。
 比蘭さんのお話をよく聞いておりましたよ。
 比蘭は凄いって、、、」
比蘭「いや、光美ばあちゃんのお陰で
   蒴螺を、、嫁にもらう決心ついたってーか
   色々相談してたんだよな、懐かしいわ」
蒴螺「えっ!?そうなの!?
          全然知らなかったわ!そんな話」
有朱「美優さん、公安にはもう届出は出したのですか?」
美優「公安の方はちょっと、、信用できなくて
   ですが、私はお婆様が信用していた
 朧屋さんだからこそ形見である桃幻の笛を
持ち去った者から奪い返して欲しいのです、、、どうか、お願いします!」
令夜「しっかし、兄貴、対象がわからない者から
   奪い返すのって、、難しくないっすか?」
待宵「これは何手で詰めるかわからないですね」
蒴螺「けど、やるんでしょ?比蘭?」
比蘭「婆ちゃんには世話になったからねえ
          その依頼、引き受けたよ、美優さん
   あ、でもその前に、、」
美優「なんでしょう?比蘭さん」
比蘭「婆ちゃんに線香やりたいから、、お墓へ
   案内してくんねぇか?」
美優「はい、喜んで!!」
比蘭「ありがとう、じゃみんなちょっと行ってくるわ」
蒴螺「あ、待って比蘭、私も行きたい、、
   貴方が相談に乗るほど心を開かせた
   お婆様にぜひご挨拶したいわ、、」
比蘭は蒴螺の手を優しく掴み
「お腹の子にも挨拶させねぇとな、行くか」
蒴螺「うん」
令夜&有朱&待宵「愛だねぇ、、、」

比蘭「じゃあ、帰ったら作戦会議だ
          美優さん、案内よろしく」

比蘭と蒴螺は仲睦まじく美優の案内を受け
かつて比蘭の心を広げた光美の墓参りへと
向かうのであった。

そして比蘭と蒴螺、美優は光美に線香をあげ
光美が生前、好きだった赤い花を添え
二人と美優は優しく、手と手を合わせ。
合掌するのであった。

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