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意匠設計者に教えたい!構造計画の基本(マンション編)~構造設計は意匠設計者しだい!

 建築における構造設計は、構造設計者が行います。構造設計は構造計算を行い、構造図面の作成を行うわけですが、構造設計の中で一番重要なのは“構造計画”です。

 現在の構造設計界の第一人者である金箱温春先生は、構造計画を“構造システム”と呼び、以下のように話しています。


『構造には力学と言う絶対に従わなければならないルールがある。一つの構造システムを作り、それに対して、ある力が作用した場合、どのように挙動するかは誰が検討しても同じである。これは構造の普遍性と言える。
構造システムを作る事は構造解析の問題を作る行為である。構造計算とはその問題を解く事である。どういう問題を作るかが構造デザインである。そして、良い問題を作らないとスマートな答えは得られない。』


 ここで言う“スマートな答え”とは構造体のみでなく、建物全体です。良い問題とは意匠計画とも言えます。

 耐震性の高い建物とするにも、優れたデザインの建物とするにも、経済的な建物とするにも良い構造計画が有ってでのことです。

構造計画とは簡単に言うと以下の内容です。
① 構造種別の選定(RC造、鉄骨造、木造、その他)
② 架構計画(柱、大梁、耐震壁位置の決定)
③ 設計クライテリアの設定(耐震等級、劣化等級等)

 この構造計画ですが、一般の建築物であれば、実は意匠設計者が行っているのです。
 構造設計者は意匠設計者からの依頼で構造設計を行いますが、依頼があった時点で通常、構造種別は決定しています。意匠図には柱位置が表記されています。当然、大梁は柱と柱を繋ぐ位置になります。壁に設けられた開口形状により、耐震壁の有無の決定します。つまり、意匠計画が構造計画なのです。設計クライテリアは建築主の要望になりますが、これも意匠設計者から構造設計者に伝達されます。

 構造設計者はこの意匠計画(=構造計画)に対し、アドバイス、アレンジを行うことしか出来ません。設計する建物が良い構造物になるか、経済的な構造になるかは意匠設計者にかかっているのです。構造計画とは意匠計画そのものです。

 意匠設計者が構造設計者に求めることは何でしょうか。経済的な構造として欲しい、自分のイメージする意匠デザインを実現して欲しいなどと思いますが、それも意匠計画にかかっています。

 故に意匠設計者は建築設計の中で花形なのです。

 重要なのは建築設計における最初のアプローチです。最初のアプローチが見当違いの計画では、構造設計者は良いアレンジ、良いアドバイスも出来ません。計画が進んでしまった時点では引き返すのも難しくなります。

 以下に紹介します書籍にて、ワンランク上目指す設計者に共同住宅(マンション)の構造計画について説明します。

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【内容】
1.構造計画は意匠設計者が行うこと
2.構造設計の流れを知る
3.経済設計の基本
4.小梁の計画は間取りを考えること
5.耐震壁を活用する
6.柱割りの計画
7.壁式構造の計画
8.狭小地での計画
9.付 録

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