切られた映像を見ても審判はうまくならない?
皆さん、こんにちは。あるびとろです。
ちょっとタイトルが過激っぽいですが、更新が出来ない時用に溜めといた記事を放出させてもらいます。(つまりなんか不測の事態です。)
この記事では、私がなぜ「Weekly Refereeing Analysis」(WRA)を書くのかということについて書きます。審判目線で1試合を通して分析する理由について書きますので、お読みいただけると嬉しいです。
理由1 映像で判定することは非常に容易だから
映像を見ればある程度審判の知識があれば、正しい判定を下すことは容易です。もちろん、疑惑の判定のようなシーンを見て難しい判定についてルールについて理解を深め、自分の頭の中に多くのケースを入れておくことは大切です。
ただ一つの切り取られたシーンだけを見て判定を語るのは、ケーススタディ程度にしておいた方がいいと考えています。
理由2 切られた映像にはポジショニングが映っていないから
短めの映像は切り取られています。当たり前ですね。(笑)
直前3秒くらいしか映像が映っていないことも結構あります。
このような動画は勉強になりますが、判定をする前段階で大切なポジショニングについて映っていないことがほとんどです。判定をする上では正しいポジショニングをすることが不可欠です。そして、ポジショニングはゲーム展開によって大きく変わりますし、直前1分くらいを見ないとそのポジションを取った理由には気づかないことも多くあります。
そういう意味もあって、90分の分析にこだわってやっています。
理由3 荒れるのにも落ち着くのにも伏線はあるから
荒れてしまった試合にも落ち着いた試合にも伏線があると考えています。
荒れた試合として例を挙げるのは大変気が引けますが、下記の試合では、前半から判定・マネジメントが上手く行っていなかったこともあり、最終的に大きな事象となってしまっています。
完璧に試合が収まり、とても面白いゲームだった家本政明さんの担当試合では、前半にはマネジメントをしないと大変なシーンもありましたが、しっかりと適切なマネジメントをした結果、後半は完璧な出来でした。
90分の積み重ねでしかレフェリングは評価できず、自分がうまくなるためには良いケースも悪いケースもしっかり前半から見ていくことが大切だと感じます。
よく選手獲得のときにエージェントが作成したプレー集(下記の動画のようなもの。)だと良いシーンしかないからわからないという話はよく聞きますが、ハイライトのみで判定を語るのは同じようなものかもしれません。
判定以前の伏線を見ることこそ上達につながると感じています。
こんな理由で90分の分析にこだわって続けています。
自分がうまくなるために始めたこの分析ですが、皆さんにとって少しでも刺激やメリットを与えられれば幸いです。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
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