アラザル™

2008年に創刊した荒くれインディペンデント批評誌です。 http://arazaru.tumblr.com/

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最近の記事

第四回アラザル読書会『獣の戯れ』(三島由紀夫 著)抄録

開催日:2020年9月26日 出席者:諸根陽介 西中賢治 杉森大輔 近藤久志 西田博至 ★よかったシーン 近藤 すごくいいと思った場面。スパナで頭をぶつところ。それまで高踏的だった逸平が修羅場で露呈したしょうもなさ。 西中 ベッドから半身を起こす逸平の態度もしょうもないが、泣き崩れた優子にも幸二は憤っている。 近藤 その逸平をスパナでなぐることで救ってあげた。岩松了的な劇的場面。 近藤 もうひとつのいいところは優子がヘアピンで喜美を刺すところ。あそこは活劇。キャスティン

    • 第三回アラザル読書会『コンビニ人間』(村田沙耶香 著)抄録

      開催日:2020年8月29日 出席者:畑中宇惟 堤 拓哉 西中賢治 西田博至 諸根陽介 ★読後の感想 畑中 1回目に読んだ時の面白さが2回目は損なわれていた。 西中 2回読んで、よくできすぎていると思った。芥川賞を狙ってかなり緊密に推敲した気がする。1回目に読んでいるときは「こんな展開になるのか」と驚いたが、2回目は冒頭から伏線などがかなり仕組まれていることがわかって驚きが減じた。 西田 日本の現代文学はあまり読まないがこれは伏線など完璧にできていてテマティックに読んで

      • 第二回アラザル読書会『三体 Ⅰ』(劉 慈欣 著)抄録

        開催日:2020年8月1日 出席者:西中賢治 畑中宇惟 諸根陽介 ※下記は、今回のアラザル読書会で交わされた会話の抄録である。テーマごとに見出しを立て、発言の要旨をごく簡潔にまとめた。 ★科学的な虚実畑中 本屋ですごく売れてるからわかりやすいエンタメかと思ったけど、難しい理論が多くてよくわからないところもあったのが意外。 西中 陽子の11次元の話は超弦理論に基づいているが、太陽の電波増幅機能は科学的根拠のない創作らしい。 諸根 虚実の織り交ぜ方の作り方が上手。よくでき

        • 西田と高内(と、細間)がソフィア・コッポラを語る:その2(2011年『SOMEWHERE』公開時)

          高内:あれれー、細間いますかー? 西田:あれ、細間さんもおるん?w 高内:ログインしているみたいだったので、声かけてみたのですが、反応がなくて… 西田:ほそまさんもみたん? 高内:前に、またソフィア・コッポラでやるよーって話はしてて、興味があったようだったんですが。 西田:あははは。じゃーまあふたりでやりますか。 高内:そうですね!!!! それじゃはじめますか!!! 『アラザル』vol.3、「ディベート批評」では大まかに以下のような結論になったわけです。 『マ

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          西田と高内がソフィア・コッポラを語る(2009年)

          高内: あー、でどう進めます? 西田: あ、そうだった(笑)。30分ぐらいずつ、それぞれがホメとディスを交換し合うんだよね? 高内: そうなんですよ、僕はどちらからでもいいんですが、西田さんは褒めたい! とかディスリたい! とかあります? 西田: いや、僕もどっちでもいいんですww どうしようかねえ。高内くん、好きなほうからやってくれたらいいよ。 高内: !!!! えーと・・・・ほめます! 西田: あははは。じゃあ、ディスりますww では、「ガーリィについて ソフィ

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          西田と高内がソフィア・コッポラを語る(2009年)

          アラザルのパンチラインベスト10【2000年代編】

           去る2009年12月30日に行われた、【エクス・ポナイト VOL.5 ポ祭2009!!!テン年代まであと2日!?】にアラザルチームが人知れず緊急参戦していたのですが、そこでのラウンジ企画の中の1コーナー、一晩みんなで悩んで考えたジャパニーズヒップホップパンチラインベスト10の結果発表をここに再録しておきます。  ランキングの順位に関して言えることは、この日の盛り上がり的にはとにかく般若の「やってやる」が優勝だということです。 ☆アラザル編集部・選『ゼロ年代日本語ラップパ

          アラザルのパンチラインベスト10【2000年代編】

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          4_ReViVaL_ver.0.27 dhmo  九〇〇〇キロ先のストリーミング映像は電気を落とした部屋を照らしている。  十三インチのフルスクリーンで映されるそのデータは十七時間の時差のあるカリフォルニアで、会場の熱気まで配信される技術がまだ実用化されてなくて心からほっとする。ヴァイブスまで送りつけられたら更に目が冴えてしまう、ずっと寝つけずにもうこんな時間なのに。 「英語わかんの?」  僕の女友達で最も若い彼女は、寝つけない僕に付き合うかたちでパソコンのディスプレイ前

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