辛くて不安で仕方なくて

秋からアメリカの大学に進学する
二年間在籍した地方の公立大学から編入する。期間は長くて三年。
試験を受けた時も入学が決まった時もうれしかった。
ついこの前まで不安なんてなかった。

でも卒業までの道のりを知って不安が芽生えた。
無茶なんじゃないかと。
入学前の数学の事前テストを受けて背筋が凍った。
自分は進学先でついていくことができるのか。

なによりこんな決断をせずとも自分はすでに幸せで
身の丈に合わない選択をしたような気がしてしまう。

きっと二年前の冬のときならこんな風に思わなかった。
たぶん一人だったから。

離れることがこんなに寂しいとは考えもしなかった。

辛く辛くて辛くて
何もできない日が何日も続いた

笑顔になれたはずのYouTubeを見ても
笑えなくなった
不安で心がすり減った
するべきはずの勉強にも手がつかない

顔色もひどくなっていたことだろう
見かねた母が部屋に入り一緒にお菓子を食べた
「失敗してもいい」「いざとなれば帰ってこい」
弱いことを肯定されただけでこんなにも救われると思わなかった。

過去の知らない事実もいくつか知った。
母の偉大さが身に染みた。

少しだけ前を向いてやるべきことをやろうと思えた。
他のことにも目が向くようにもなった。

生きていればなんとかなる



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