見出し画像

お別れは寂しい -ein日記-2024.10.01

別れは当然やってくる。
サロンがある九品仏商店街にあったオシャレなカフェが9月30日で閉店した。特に行きつけというわけではなかったけど、バナナケーキが美味しかったお店だった。600円したので、カフェ文化が浸透していない自分にとってはとても高級で、思い返すと2回しか行ったことがなかったようだった。

それでもなくなってしまうのはなんか残念な気持ちになって、最終日にスペシャルマフィン(チョコとラズベリーのやつ)と焼きたてのバナナケーキを買った。夜に妻と食べようと思って。

バナナケーキは焼きたてですよと教えてくれて、やったー!と思ったけど夜には当然冷めているわけで。でも夜食べても「これは焼きたてなんだよ」と思って食べられた。

これ2つで1200円だよと妻に言ったらビックリしてたけど、この時は別に高いから買うのを迷ったわけでもなかったので、美味しく頂くと同時にこういう小さい価値観が近くて良かったなと再確認できた。

お店は閉めてしまうけれどオンラインでスイーツの販売はしていく予定らしい。絶対買う!と思ったわけではなかったけど、なんか少しホッとした。

何かが終わる時は必ず来る。自分も商売をやっているから、一つのお店が終わるというのはなかなか感慨深い。たくさん悩んだだろうし、それ相応の理由もあるだろう。反対する人もいたはず。きっと関わった全ての人が納得しているわけではないと思う。でもそれが決断で、受け入れていかなければならない現実で、どうしても明日はやってくる。

ここで2年半やってたんだという記憶は商店街にもそこを利用する人にも残っていくから、どうか楽しい方に先進してもらえたらいいなと、さっきも言ったように特に常連ではない自分でもそのぐらいのことは思いました。


時を同じくして、住んでいるマンションの管理人のおじちゃんが9月いっぱいで退職してしまった。新築のマンションだから、6年近くになるのかな。

たっぷり毛量のある短髪にほぼ白髪で、昭和な感じのスクエアなメガネをかけていたおじちゃんは「おじちゃん」という年ではなかったけど若々しい何かをいつも感じていた。腰が曲がったりしてなかったからかもしれない。毎日あれだけのゴミを運んで、掃除もて身体を使っているから背筋も伸びてたしいい運動になっていたんだろうなと思った。最後の日話した時、俺も75だからさ、と言っていたので えー!となった。

会えば「今日休み?」と聞いてくれるのがけっこう好きだったなと振り返る。今日仕事かときかれるより、なんか人間的にポジティブな気がしていた。僕も休むことが苦手な日本人の1人だけど、おじちゃんは75までこうやって働いてんだもんなと思うとあと40年近く何の仕事しようかなと思うだけでワクワクする。働かなきゃいけな人生じゃなく、好きで働いている人生になっていたいなと思いました。

夏は毎日暑いねーと話して、冬は寒いねーと話して、あってないような春と秋には気持ちがいいね最近と話した。そんなてきとうな会話がもう出来ないんだと思うと寂しい。

去年箱根に行った時、提灯に箱根と書いたマグネットをお土産で買ったら喜んでくれたのを思い出した。そもそも自分からお土産を買いたくなる人ってなかなかいないもので、買っとかなきゃいけないお土産を選ぶより数倍楽しいのでそういう人が数人いるだけでこちらも嬉しい。その貴重な1人がいなくなっちゃったのも、やっぱり寂しい。

最後の日、9月30日。職場に荷物を取りに行くという妻と一緒に家を出た。(10月から別の園に異動になるため)
マンションを出て、隣の遊歩道でいつものたばこ休憩を終えようとしていたおじちゃんに手を降り、いつものように「今日休み?」と聞かれたので「これから2人とも仕事なんですよ」とかえした。

おじちゃんはそっかそっか〜と言った後「俺今日で終わりなんだ。75だからさ。退職だよ」と続けた。えっ…うそ?と驚く僕たちに、今までありがとねと言うのでこちらもありがとうと返して右手で握手した。

でもおじちゃんが裏手の神社の近くにあるアパートに住んでることを知ってたので、すれ違うかもねと話したら、マンションの目の前のタクシー屋さんに電話番で来てくれって言われたから10月から働くのよ、と言った。びっくりした。また近所だからお別れじゃねーよって感じだった。
午後、幼稚園帰りの次男と妻がコーヒー差し入れることができたよって報告があった。家族にとって大切な人だった。

次の仕事は、管理人の仕事の休憩時間にたまに通りかかるタクシー屋の人と立ち話して仲良くなってそういう話になったらしい。おじちゃんは今日からまた新しいことにチャレンジする。ご縁もすごい。

もっと色々話したいことあったなーと思ったけど、たぶんまた話せる機会はある気がするし、きっと気温の話か休みの話をするだけな気もする。それがいい。

おじちゃん、ありがとうございました。

終わりと、お別れを少し噛み締めた9月の最終日。10月1日の今日は普通の日でした。事務作業多めで目が疲れた。

ではおやすみなさい。

コーヒー屋さんの隣にカフェって挑戦だったんだろうな
バナナケーキでもブレッドでも、美味しいからどちらでもヨシ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?