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飯田お練りまつりⅡ~南信州は民俗芸能の宝庫だ

 飯田お練りまつり最終日の27日、前日の雨中の祭りから一転、青天に恵まれ、大名行列をはじめ20近い参加団体が演舞を披露しました。
 大名行列は商店街で演じているところを間近に見て、そのあとで地元ケーブルテレビの中継と解説を観ました。江戸時代の参勤交代の所作を現在に伝える貴重な文化だと再認識したところです。伝統を受け継ぐ保存会の人たちが、厳冬の昨冬から稽古を重ね、本番最終日は気温20度に迫るなかでの熱演でした。

20220327お練り大名行列飯田駅前note

 飯田駅前には南信州の民俗芸能を写真パネルで紹介したコーナーが開設されていました。湯立神楽や念仏踊り、人形芝居、農村歌舞伎、獅子舞、煙火といった行事の紹介です。
 映画にもなった「大鹿歌舞伎」は春と秋に公演があります。夏は「新野の盆踊り」「和合の念仏踊り」(いずれも阿南町、国指定重要無形民俗文化財)、冬には湯立神楽の古い形式を伝える「遠山郷霜月祭」(飯田市)、「霜月神楽」(天龍村)があり、いずれも国指定重要無形民俗文化財です。
 南信州には国指定重要無形民俗文化財が6件、国選択無形民俗文化財11件、県指定無形民俗文化財4件、県選択無形民俗文化財5件(いずれも2022年3月現在)となっています。
 人口減少のなか、文化を伝承していくには応援団が必要です。2015年に結成された南信州民俗芸能継承推進協議会は、パートナー企業制度をスタートさせました。パートナー企業は従業員の民俗芸能への傘下を推奨し、休暇の便宜をはかり、資金・人的な援助をしていく制度です。企業としても、文化を通した社会貢献や地域交流をはかるメリットがありそうです。
 また、協議会は個人の応援団を増やしていくために「南信州民俗芸能ファンクラブ」の会員も募集しています。入会無料で、行事の案内や飯田市美術博物館の学芸員による解説を会員向けに発信しています。
 7年に一度のまつりをきっかけに、南信州に伝えられてきた民俗芸能の未来につなげたいものです。
(2022年3月27日)

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