見出し画像

飯田お練りまつりⅢ~次郎長と都はるみ

 7年に一度開かれる信州・飯田のお練りまつり。3月25日から27日まで、「丘の上」と呼ばれる旧市街地で繰り広げられました。noteコラムⅠでは大獅子などの雨中の熱演、Ⅱで大名行列と伊那谷の民俗芸能を紹介しました。
 Ⅲは三題噺で締めます。飯田お練りまつりと清水次郎長と都はるみです。
 26日午前中、雨が降り始める前に出演団体のひとつ、銀座商店街の演目「銀座次郎長道中」を見かけて、シャッターを切りました。「旅姿三人男」(春日八郎)など4曲にあわせて市内を練り歩くのです。2016年のお練りまつりで見たときは、「なぜ、飯田で次郎長なの?」と正直、不思議に思っていました。
 今回、その謎が解けました。いつもA4サイズの電子版ミニコミ「いいだより」を送っていただいている飯田市の小林敏昭さんのNo876の記事からでした。
 1947年(昭和22年)の飯田大火からの復興を目指して、銀座通りの商店主らが1954年(昭和29年)の復興祭で踊ったのが始まりです。お練りまつり参加は今回が13回目。小林さんは初めて森の石松の兄貴分「小松村の七五郎」を演じました。 
 4曲のうち「飯田銀座音頭」は市川昭介作曲で、都はるみが歌っています。ユーチューブで聴くことができましたが、こんなご当地ソングがあるなんて知りませんでした。
♪リンゴ並木に 花咲く飯田
 雪の赤石 情けでとける
 銀座よい街 ホントダニ
 昔ほりばた 広小路
 ハットヨイコラ ヨイコラセ 
 今は銀座にゃ 夢がある 夢がある

202203261飯田お練り式年看板

 飯田銀座音頭は1967年(昭和42年)に「銀座堀端百年祭」が開かれたことを記念して作られました。翌年、明治百年記念式典が東京で営まれ、銀座まつりが盛大に行われた前年のことです。
 今回のお練りまつりの銀座次郎長道中に参加した小林さんは、「いいだより」のなかで、演者の中では歴代最年長ではないかと書いていました。参加の条件は①銀座商店街に出店(テナントや社員も可)または住人②当日2日間の踊りに出演できる③事前練習に参加して全ての振付を覚えて当日優雅に踊れる④年齢は高卒以上⑤2日間歩いて、移動する体力がある…というもです。
 私とほぼ同い年の小林さんです。「観る祭りから演じる祭りへ」という気力と、郷土愛に頭が下がります。飯田ことばでいうなら「ホントダニ」。
(2022年3月29日)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?