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ヌン活に物語あり~名古屋プリンスホテル スカイタワーが劇団四季のミュージカル「キャッツ」とコラボ

 名古屋プリンスホテル スカイタワー(名古屋市中村区)で5月12日から「キャッツ・ムーンライト・アフタヌーンティー」が始まりました。31階レストランSky Dining 天空の地上140㍍から名古屋四季劇場と東海道新幹線など多彩な鉄道車両を眼下に眺めながらの「ヌン活」です。
■脚光浴びるヌン活
 ヌン活とは、アフタヌーンティー活動を略したことばです。2022年ユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされました。
 私はこのとき、ほとんど注目していませんでしたが、2023年5月8日から新型コロナが5類に移行したこともあり、若者だけでなく年齢層の高い方たちにも広まるのではと感じています。
 高級ホテルのディナーに比べて価格も手ごろ。長らくの巣ごもり生活を脱して、眼下の景色を眺めながらシェフ考案の見映えのするスイーツと紅茶をいただく。開放感あふれる至福の時間です。
■ウェルカムドリンクで劇中のシーンへ

劇中で月が輝く印象的なシーンをイメージしたウェルカムドリンク

 「キャッツ」日本公演が始まって今年11月で40周年。名古屋では1988年のテント式仮設劇場での1年間のロングラン公演から35年になります。これを記念して名古屋プリンスホテル スカイタワーがキャッツの世界をスイーツで表現しました。 
 ウェルカムドリンクは「Brilliant MOON Night」。劇中で月が輝く印象的なシーンをイメージしています。
 青色のノンアルコールカクテル(モクテル)の上に、香のついた煙を閉じ込めて月をイメージした球体をのせてくれました。しばらくすると、球体がはぜて、さわやかなレモンの香りが歓迎してくれるのです。
■「完食ですね」と言われた多彩なスイーツ
 十数年前、本場イギリスの古城の庭でアフタヌーンティーをいただいたことがありました。このときは、クッキーやサンドイッチ程度で夕食に支障が出る心配はありませんでした。
 Sky Dining 天空のアフタヌーンティーは、ボリュームがかなりあります。上下段のスイーツのスタンドのほかにプレートが3皿。これらはいずれもおいしく、ほぼ完食したので、この日の私の夕食は一品にとどめたほどです。

CATSとデコレーションされた一皿

 上段のCATSとデコレーションされた一皿には、6種類のスイーツがのっています。
 そのひとつ。劇に登場するアクロバットが得意なオス猫「マンゴジェリー」とメス猫「ランペルティーザ」をイメージしたスイーツ。2人(2匹)がアクロバットなダンスを踊っているシーンをイメージした「カンノーロ」(イタリア語で小さな筒の意味)は、猫の爪の形に似せて、筒の中にマスカルポーネ風味のクリームと甘酸っぱいイチゴソーズが詰まっていました。

「スキンブルシャンクス」をイメージしたロール カスタード(手前)はチョコレートの猫が目印。奥は「オールドデュトロノミー」に見立てた揚げドーナツ

 下段の皿は4品。鉄道を愛し、みんなのために骨身を惜しまず働く、気のいい猫「スキンブルシャンクス」をイメージした「ロール カスタード」には、チョコレートの猫が腰かけていました。
 定番の一皿は、スコーンです。プレーンと、オレンジの皮とホワイトチョコチップ入りの2種類。
 さらに別皿でマロンモンブランのケーキが運ばれてきました。
■男性にはうれしいセイボリー 

セイボリー(右)とスコーン。黒い皿はキャッツの舞台をイメージ

 甘い物が続きますが、ここでオードブルの皿の4品も紹介します。スイーツと対照的な軽食で、セイボリーと呼ばれています。
 メバチマグロを使ったイタリアンマリネ。シチリア島発祥とされる煮込み料理のカポナータ。兄貴格のリーダー猫「マンカストラップ」の毛皮に見立てたトリュフ風味のマッシュポテト。トマトとモッツアレラのカプレーゼ風。
 甘い物が続いただけに、ちょっと一息いれさせていただきます。
■最新のビジネスモデル 

天空の窓際の席は眺望が良く、新幹線やJR在来線を行き交う車両が楽しい

 ホテルの本業は、宿泊とレストランのランチ&ディナーです。ディナーまでの比較的、来客が少ない時間を生かせるのが、アフタヌーンティーです。
 これまでも各ホテルで企画されていましたが、最近は写真映えを意識して人気キャラクターとのコラボが人気のようです。
 女性客だけではなく、午後のゆったりとした時間の過ごし方として幅広い年齢層に訴求できる好機でもあります。料理長の上野浩二さんらスタッフの「キャッツ愛」を感じるスイーツ。コストパフォーマンスも高いと感じました。
■名古屋の長老記者の「一鳴き」
 私も現役の新聞記者時代にヌン活にはまっていたなら、鉄道を満喫して紅茶を味わいながら、記事の構想を練ったことでしょう。
 ただ、これだけの量のスイーツは食べきれません。少量で楽しめるシルバー向けのメニューも期待しています。
 そのときは、スイーツ下段にあったイタリア・トスカーナ地方で愛される郷土菓子「ボンボローニ」を忘れずに。劇中で、すべての猫たちに愛されている長老猫「オールドデュトロノミー」に見立てた揚げドーナツです。
 長老という言葉にシンパシーを感じてしまいました。
(2023年5月13日)
※キャッツ・ムーンライト・アフタヌーンティーは2023年7月6日まで。時間は15:30~17:00。料金1人5200円(消費税・サービス料込み)、2名から予約。問い合わせ・予約は052-756-3102(受付時間9:00~18:00)

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