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碧南市の赤シソと「とよかわ大葉」~荒玉note改訂

  この記事は2021年5月にnoteに提稿した記事です。マガジン「農政ジャーナル~長靴をはいた記者」にも収録されています。「大葉たこせん」が2023年末に発売されました。こちらも記事もお読みください。
大葉たこせん新発売~豊川市のブランド戦略が「止まらない」(#荒玉のコラム参照)|にしむら公秀 (note.com)

 茶摘みが始まる八十八夜は、今年は5月1日でした。愛知県西尾市でも一番茶の茶葉の摘み取りが始まりました。
 実は、茶園で使われる機械が赤シソの収穫にも使われていることをご存じでしょうか。JAあいち中央のしょうが・しそ部会(山田哲也部会長、11人)が5月下旬から収穫を始めるという話のなかで知りました。
 機械は「茶葉摘採機」とか、「茶刈機」と呼ばれています。お茶の一大産地、静岡県の牧の原台地を望む菊川市で、創業90余年の落合刃物工業が生産しています。愛知県碧南市の赤シソ農家11戸では、すべてこの茶刈機を持っていて、収穫用に活用しているそうです。 赤シソは和歌山県など梅の産地の出荷ピークに合わせて、収穫を始めます。JAあいち中央の話では、今年は3月中旬の種まきから4月上旬の発芽まで天候に恵まれ、色やツヤ、品質も良好となりそうだと期待しています。300グラム入り10袋で1ケースとして、7月上旬までのシーズン中は一日1500ケースを出荷する予定です。
 梅を漬けたり、赤シソのジュースを作るときに、軸を取るなど手間がかかりますが、ここの赤シソは茶刈機で軸が入らないように浅めに刈り取っているそうです。
 刈り取った赤シソは水洗いされ、1カ所に集められて、葉を傷めないようにネットに入れて脱水。その後、手作業で軸の長さを確認しながら袋詰めして、出荷します。
 さて、「赤」に対して、「青」です。青ジソの若葉を摘んだものが大葉です。2021年一月30日に「そうだ!青じそでジュースをつくろう~つまもの需要減少への妙手」で書きましたが、コロナ禍で飲食店やホテルなどの業務用の単価が下がり、愛知県東三河地区の生産農家は知恵を絞っています。
 JAひまわり(蒲郡市)は、豊川市観光協会と協力して、「とよかわ大葉」のブランド名の認定を受けました。価格が低迷する業務用が主流ですが、これからは、巣ごもり需要も狙って、家庭用に販路を広げていくそうです。10枚入り小袋や、葉が不ぞろいでも味に遜色がない25グラム小袋(30~35枚入り)などに「とよかわブランド」のロゴマークを入れていきます。
 また、大葉を使った風味の良い「大葉味噌」(瓶入り、140グラム)を販売しているほか、「豊川産のトマトと大葉のおいしいトマトスープ」など加工品にも力を入れています。
 特に、とよかわの大葉で評価したいのは、栽培における減農薬の取り組みです。ハダニ類など大葉の生育を妨げる微小害虫に対して、天敵の虫を放して駆除する取り組みです。
 より安全で安心して食べることができる大葉へ、生産地も工夫をしています。
(2021年5月3日) 

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