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代わり映えのしないBtoB企業展示会ブースにさよなら!—SaaS企業向け斬新提案

ありきたりなBtoB企業展示会ブース

コロナ後はリアルの展示会も盛り上がっており、多くの来場者があります。オンライン全盛期からの振り戻しもあるのでしょう。

関東(東京ビッグサイト)関西(インテックス大阪)東海(ポートメッセなごや・名古屋)などの大都市圏の国際展示場などで実施されており、DX関連、営業・マーケティング関連、人事・総務・HR関連など、BtoB向けサービスの展示会も多いです。

ターゲット顧客に自社を認知してもらう機会であり、名刺(新規リード)獲得や商談創出の機会でもあるため、多くの企業でブースの大きさや装飾、資料やノベルティ配布、沢山の営業担当やコンパニオンを配置し、イベントとしても盛り上げようとかなり力を入れています。

しかしながら、ブース、資料、ノベルティのどれをとっても最近は似たり寄ったりで差別化が困難な状況にあります。

特にSaaS系などはサービスの特性上、チラシを除くとPCデモ画面でしか魅力や内容を伝えることができないため、ぱっと見どれも似たりよったりで、事前の知識がない人にとっては本当に差がよくわからない。

各社、革新的な素晴らしいサービスを提供しているにも関わらずこれは勿体ない。

大規模な調達をしていたり、LTVが大きくどんな施策をやっても全然回収できてしまうような、フェーズ的に認知にコストを大きくかけられるような企業(freee、SmartHR、sansan、MoneyForward、などをイメージ)であればよいですが

SaaS系の中小ベンチャー・スタートアップはもっと思い切った差別化にチャレンジしたほうが良いのではないかと考えます。

本記事では、勝手ながらSaaS系企業を中心に、従来の手法に捉われない新しいアプローチや展示会の活用方法を提案します。*展示会のレギュレーションは確認・考慮しておりませんのでご了承ください

提案内容

芸能人・インフルエンサーを招いての名刺交換、ノベルティ配布、ブースでの個別セッション

フルタイムの起用は難しいかもしれませんがお金のかけどころとしてはインパクトを出しやすいかもしれません。ただし、交換芸能人の起用は目を引きますが、その人がどれだけ製品とシナジーを持つかが鍵。ただの集客手段に終わらず、その人物が製品の価値を如何に伝えるかが重要です。最近sansanやSalesforceが実施している大規模なカンファレンスで集客・リード獲得目的で芸能人や有名人をよく呼んでいますが基本的にはその考え方と同じ。更に認知効果を上げるべく、SNS投稿してくれたら一緒に写真撮影OKやスペシャルグッズのプレゼントも良いかもしれません。

プレゼントキャンペーン

ただの「もらい物」に終わらせず、製品体験やサービス利用へと自然に繋げる工夫が必要です。思い切ったサプライズとして抽選で半年、1年間無料キャンペーンの実施など。権利の行使は自由にしておけば 冷やかしユーザーであればロスはなく、本気のユーザーなら一度使って貰えればそのまま継続してもらえる可能性が高まるのでよし。

空白のテレワークラウンジとして開放

あえて展示を行わず、もしくはシンプルな展示のみに留めて、名刺をもらうかQRコード読込み(主催者側が準備する実質的な名刺情報提供の仕組化み)により、来場者にとって価値ある「空間」として提供します。休憩やネットワーキングの場として、ブースを訪れた人々の名刺と関心を集める手段となります。フリードリンクやフリースナック、30分までのオンライン会議が可能な簡易ブーススペースの提供など。

スタッフ不在の時間帯の設定

展示会中に設ける「無人時間帯」は、来場者により自由な体験と探索の機会を提供します。この時間、来場者はプレッシャーなく製品を体験でき、自分自身のペースで情報収集することができます。鍵付きの名刺BOXをセットしておき、訪問者が自由意志で連絡先を残せるようにします。せっかく作ったブースや展示があまり見られておらず勿体ないため。製品サービスにもっと来訪者が自由に触れる機会を創出。

スタッフ不在の自由な探索は、来場者にとって新鮮な体験となり、製品への関心を深めることができます。来訪者のエンゲージメント向上も期待。また、このアプローチは、製品に対する信頼感や好奇心を引き出し、長期的な関係構築のきっかけにもなり得ます。

ZINEをノベルティとして配る

ZINEは個人や小グループが自主制作する小規模な出版物で、独自のテーマとクリエイティブな表現が特徴です。企業がZINEを出すこともあり、その場合はブランドの価値観やメッセージをクリエイティブに伝える手段として利用されます。

ユニクロが期間ごとに店舗で配布しているマガジンがありますが表示がアート作品で内容も表現要素が強く読み応えがあるものです。ここまで力作でなくて良いですが、個人的にはZINEのイメージに近いものがあります。製品やサービス紹介資料でなくこういった物を配布したほうが他社との差別化やブランディングにつながると思われます。

ハウスリストの活用

新規リード獲得に固執するよりも、既存のハウスリストを活用し、ターゲットを絞った来場者を招待することで、質の高い商談へと繋げる効果が期待できます。これは、通常の来場者にとってもブースへの入りやすさを向上させます。オンライン商談には負けますが、対面で濃い直接コミュニケーションの意味では訪問よりも効率的なセールス活動が出来ます。

結論

多くの企業が似たようなアプローチでノベルティを配ったり、コンパニオンを雇って差別化を図っていますが、真の差別化はそこにはありません。かつてはその物珍しさが受けたかもしれませんが、今は新しい発想が求められています。展示会の成功は、思考を停止せず、常に革新を求める姿勢にかかっています。そのためには、ただ目立つことを目指すのではなく、来場者にとって本当に価値ある体験を提供することが重要です。それが、真の差別化に繋がるのです。

追加提案:現代アートとテクノロジーの融合—革新的展示会ブースの構想


 コンセプト提案

現代アーティストとのコラボレーション:
アートとテクノロジーの境界線を曖昧にすることで、SaaS製品をただのツールではなく、「体験」として提供します。現代アーティストと連携することで、製品の機能や利点を芸術的かつ感覚的に表現することが可能になります。展示会の前後でプレスリリースを配信し、SNSでの露出を最大限に高める戦略を取ります。

実施の利点

話題性の創出: アートとテクノロジーのコラボレーションは、通常のSaaS製品のプレゼンテーションとは一線を画し、ソーシャルメディアやメディアでの話題を生む可能性が高まります。

結論

革新的な展示会のアプローチは、単に目新しい体験を提供するだけでなく、製品の理解と興味を深めるための戦略的な手法です。アートとのコラボレーションにより、SaaS製品がもつ潜在的な価値と可能性を、より広い観客に対して効果的に伝えることができるでしょう。

追加提案: 「名刺で寄付を促す」社会的責任と展示会ブースの新しい形


コンセプト

展示会で名刺を受け取る際、それを単なるリード獲得の機会ではなく、社会貢献の手段として利用します。来場者がブースで名刺を残すたびに、一定額を特定の社会貢献活動や団体に寄付するという仕組みを設けることで、来場者の参加意欲と企業の社会的責任(CSR)を同時に高めることができます。

実施方法

1. 寄付プログラムの設定:
名刺をもらったり、読み込ませるごとに、例えば100円を環境保護団体や社会福祉団体に寄付します。寄付先は事前に公表し、来場者が寄付の行く先を理解しやすいようにします。

2. 目標達成度の表示:
ブースには、寄付の累計額や目標達成度をリアルタイムで表示するボードを設置します。これにより、来場者は自分たちの行動がどのように社会貢献に繋がっているのかを視覚的に確認できます。

3. 行動経済学の要素の導入:
人は「他人と比較して自分がどれだけ貢献しているか」を知ることで、更なる行動を促される傾向があります。この心理を利用し、他の来場者との寄付額の比較や、目標額に向けての進捗を示すことで、より多くの名刺の提供を促します。

期待される効果

来訪者のエンゲージメントの向上:

来訪者は自分の行動が直接的な良い影響を及ぼしていると感じることで、展示会への参加意識や満足度が高まります。

企業イメージの向上:

企業が社会的責任を積極的に果たしている姿勢をアピールすることで、ブランドイメージの向上にも繋がります。特にサステナビリティや社会貢献に敏感な層に対して効果的です。

リード獲得の質の向上:

社会貢献を重視する来場者が自発的に名刺を残すため、質の高いリードが獲得できる可能性が高まります。

このような取り組みは、単にビジネスの利益だけでなく、社会全体への貢献を目指す企業の姿勢を際立たせるものです。展示会のブースという一時的な場所から、持続可能な価値を生み出す試みとして、非常に有効な手段と言えるでしょう。

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