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ゴーストオブツシマとPS4、そしてPS5

ゴーストオブツシマ(GoT)はソニーがプレイステーション専用に開発したオリジナルゲームで、全世界で1億台以上売れたPS4、及び最新機PS5という自社ハードに特化したゲームであるのが最大の特徴。

PS4でもハードの寿命としては末期だからこそこれまで積み重ねてきた変態プログラムが、グラフィックは極めて美麗なオープンワールドなのにロードが短いので快適なゲームプレイが出来るようになっている。

GoTはPS5(SSD標準)、PS4Pro(内蔵HDD、内蔵SSD、外付けSSD、外付けHDD)、PS4ノーマル(内蔵HDD、外付けSSD、外付けHDD)等ユーザーによってプレイ環境はかなり異なる(最速はPS5内蔵SSD、最遅はPS4ノーマル内蔵HDDになると思う)。
のだけれども、最も遅いノーマルPS4でも同一環境の他のオープンワールドゲームと比べるとロード時間は相当速いように思う(これはオールドコンシューマゲームファンとしてはファミコン末期の変態クオリティソフトの数々を彷彿させてくれた)。
次世代機が出てくるゲームハード末期にはメーカーが開発に慣れて名作ゲームが出てくるジンクスがあるのはコンシューマゲームファンにはよく知られている事だけれども、個人的にGoTは「よく出来ているゲーム」以上の体験が出来たと感じた。

PS4はPS3までの独自CPUの自社開発を止め、言ってみれば汎用PCに近い構成になった。
そのためソフト開発としてはPS3より楽になったと言われる物の、逆に「家庭用ゲームハードの有り方とは?」という哲学を突きつけられたとも言える。
PS4は以前若干の皮肉とライバルとしての素直なリスペクトを込めて「XBOX360の後継機」と言われていた事を目にした事があったけれども、ゲームハードとしての揺らぐアイデンティティと意味は同じだろう。

ゲームソフトメーカーとしてはPSもXboxもPCに近くなった事でコンシューマ同士だけでなく、PCとコンシューマのマルチ開発もやりやすくなった。
逆を言えばPS4、Xbox Oneはどちらも高性能ゲーム専用機をうたいながらも、最新のゲーム及びゲーミングPCと比べると「安いけどベストでは無いゲーム体験」をするハードになってしまった(wii以降の任天堂コンシューマハードはPC的なゲーム体験とは競争しない独自路線を歩み続けている)。
そのゲームハードとしてのアイデンティティに対するSIEの一つの回答がGoTではないだろうか。
つまり汎用思想ハードでありつつも全世界に1億台売る同一規格プラットフォームの強みがプレイステーションにはある、ということだ。

最新ゲーミングPCは日進月歩でハードウェア的に性能アップされていくのでコンシューマハードはそこでは競争出来ない。
しかしプレイステーションユーザーは同一プラットフォームであるから「最適化された」ゲームを遊べる事が約束されている。
同一規格プラットフォームと最適化。
それはゲーミングPCをより高性能に更新して行くのとも任天堂のハード思想とも異なるPS5の一つの回答のように思う。

確かにPS5が売りとしているゲーム体験とは単にSSDを標準搭載して読み込みを速くしました、というだけの話ではないようだ(というのがようやく実感出来た)。

ゴーストオブツシマはPS4最期の大型オリジナルタイトルであり、同時にPS5で変わると自称するゲーム体験の試金石でもあるように思う。

という事で早くPS5買えるようにしておくれ(お約束)。

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