擬態

人見知りな私はプライベートで知り合いに会うと隠れてしまう。


昔からそうで、中学生の頃なんかは親と買い物に行っている際、知り合いなんかにあった日には、指名手配犯並に全力でバレないようにしていた。


そんな時、私は擬態できたらいいなぁと思ってしまう。

擬態できたら目立つこともなければ、知り合いに会ってもバレない。


でも、擬態なんて限られた昆虫にしかできないよなぁー。羨ましいなぁと思っていたが、ある日こんな物を見つけてしまった。



マンションの外観を壊さないように申し訳なさそうに佇む自動販売機だ。


これには驚かされた。目立つのを嫌い、周りに気を遣っている姿がなんとも親近感を持ってしまう。


しかしだ。この「プライスダウン100円」のせいですべてが台無しになっている。




これは、人間のエゴだ。せっかく、気を遣って、目立たないようにしているのに売上を気にした人間がこんな物を貼ってしまっている。自動販売機の気持ちを考えて欲しい。


親と買い物中に知り合いに会い、せっかくバレていないのに親に「あらー、〇〇くん!こんにちは〜」とこっちから話しかけられるようなものだ。


そんなの泣いてしまう。実際、この自動販売機も水滴がついていた。

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