かつてやりたがっていた役割を終えて

Weekend256 第三回公演「絶対運命時計」
観に来て下さった方々、本当にありがとうございました。

公演を終えた所感をつらつらと書いて、自身の公演の区切りとしようと思います。
日記兼、役の終わりです。
謝辞というよりも自分用メモです。

今回の公演では主役をやらせてもらうことになり、今までやったことのない
演技の引き出しをやるいい機会をもらったなと思います。

演技以外にも、劇中の音の一部を作って使ったりと割とやりたい放題だったかもしれません。
鐘の音とか、蛍の光の音とか。
忙しく、ただ楽しくもありました。

高校から演劇を始めて、ここまでやり続けていたってことは自分は
やはり演劇が好きなのでしょう。

まだ演劇をやり始めたばかりの自分は、やはり役者の中で目立つ主役という
役割に憧れを持ち目標にしていたかもしれません。
しかし演劇を続ける上で、主役をやることが自身の演劇ではないと考えを改めて
行きました。

それはそれで自分に合っていて、小劇場で行われる演劇の多くをより知り好きに
なることが出来たはずです。

なので物語の主役をやる自分というのは、違う世界でそうなりたがった自分だと。
かなり前に置いていった夢の一つだったと思います。

自分がこの物語の主役をやること自体最初に反対したのは自分だったと思います。
役者は各々役に合う、固有で持ち合わせている特徴やスキルがあるはずです。
自分はそれを持ち合わせていないと、
今思えば、その場の人たちを少し困らせていたかもしれません。

結果的に、作品として全ての役者がそれぞれ濃い個性を持ち、
楽しんでいただいたお客様が多かったのであれば、
演出家の判断が正しく、
他の役者の方々のスキルがパワフルなものだったのでしょう。

やるからには、一通りやり切ったと思います。
演じている間も、随分と久しぶりにスポーツのような楽しさを感じていました。

ただ終演後だというのに、まだ不安が残っているのはやったことのないことを
やったからでしょうか。
せめても、自分がチケット代一割の価値を生み出せていればと願うばかりです。

迷惑をかけた不安は消えないけど、こんなお話の主役をやって楽しかった。
そういうふうに主役をやったことのない自分に言い聞かせたいです。

出演された役者の方々は本当に魅力的なキャラクターを作り上げていました。
葉島は見事にハマり役でした。読み合わせの時点ですでに魅力的でしたが、衣装と動きでそれをより強固なものにしていました。
緑川は私の想像していたキャラクター像とは少し違うものを見ることができ、物語のキャラと本人のキャラの化学反応を見るのが楽しかったです。
雅竹は稽古のある瞬間から本人の持つキャラと、物語上のキャラが噛み合う瞬間がありそれ以降の演技を正面から見ることが出来なかったのが勿体なく感じます。
井空はやはり上手い。あのキャラ、演技は見る人を十分に魅了するスパイスになり、安心して舞台を見れる土台のような役割を感じました。
南は二つのキャラクターを見事に演じ切っていました。本番中に見た憑依される
瞬間の演技はとても見応えがありました。
三ツ木はキャラへの解像度の高さと、それを出力するスキルの高さで、実際にいそうな魅力的なキャラクターでした。
鐘花は一緒に演技をしていて楽しかった。本番中近くで、ボルテージの上がっていく演技を見れたことは良い経験でした。
ハイラはキャラ仕立ての完成度と、舞台上で合わせる能力の高さを実感しました。
多く舞台上で演技的な絡みを出来たのは自分にとって幸運でしたね。
慣れない環境下でオペをしてくれた音響照明さん、本番当日に先のことを考えて動いてくれていたスタッフの方々には頭が上がりません。多くを助けられました。
ありがとうございます。

一旦これで、伊犀という役の区切りとします。
結局、やはり自分のためのメモになってしまいました。

しばらくはゆっくりと週末を過ごせそうな気がします。

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