22.食は運命を左右する【水野南北】
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食は運命を左右する
食べ過ぎると早死にするし運も悪くなるする
この本は江戸時代に書かれたもので、あらゆる少食を勧める本の元祖といえる
おそらくこの本を読むと怖くてもう大食いなどできなくなるはず
水野南北は出世して、78歳まで生きた
まずはこの本の著者である水野南北について説明
水野南北:江戸時代に実在した人物で、今から約200年以上前に人相を見て相手の運命を占う占い師のような仕事をしていた
彼は幼少期に強盗をして牢屋に入れられ、その時に犯罪者の顔と一般人の顔に大きな違いがあることに気付いた
➡犯罪者の顔がいかにも悪い顔していた(人相が悪い人が多かった)
水野南北は牢屋を出たあと自分を占ってもらうことにした
すると「死相が出ているのであと1年は生きられない」と告げられてしまう
焦った水野南北は「死にたくない」の一心でお寺へ行き、出家を願い出た
つまりお寺で修行をして良い行いをすれば、なんとか長生きできるかもしれないと考えた
だが寺の住職に「1年間麦と大豆のみで過ごすことができたら入門を許す」と言われて断られてしまう
水野南北は言われた通り1年間麦と大豆の実を食べて過ごすことにした
そして1年も前回と同じを占い師に見てもらうと、1年前にあった死相が消えていた
思い当たるのは「食事を麦と大豆だけにした」ことだけだった
➡この経験から水野南北は食事と運命について調べることにした
まず水野南北は10年間、運の良い人と悪い人・長生きな人と短命な人・出世した人しなかった人、あらゆるケースを調べつくした
そしてある時死体を切り開いて内臓をチェックしていると、運の悪い人と早死にした人の胃腸の色やツヤが悪いことがわかった
そして一つの結論にたどり着いた
➡それは「食が運命を左右する」ということだった
実際に水野南北は少食になり出世して、健康なまま78歳まで生きた
ちなみに江戸時代の平均寿命は32歳~44歳
次の章では水野南北が気づいたことを解説
少食にすると長生きする
✅一生に食べられる量は決まっている
まず水野南北は「人が一生に食べられる食事の量に限界がある」と考えた
例:ある人は一生に食べられる量が3万食、ある人は4万食という具合に決まっているということ
だが大食いの人は少食の人よりも一生で食べられる量を早く食べきってしまうことで病気にかかり、やがて食事が取れなくなって早死にする
逆に小食の人は大食いの人に比べて、一生で決められた食事量の限界に達するまでに時間がかかるだろうだから長生きできるという理由
また「食べ物というのは天からの恵みであり、食事をたくさん食べるという行為は天からの恵みである食べ物を余計に取ることになる。それは毎日天に借りを作っているのと同じで、その借りが大きくなると天が命を奪いにくる。」と 考えていた
水野南北は「命は食によって成り立つ。たとえどんな良い薬を使ったとしても、食事なしに命を保つことはできない。だから人にとって本当の薬とは食事なのだ」と考えている
➡つまり「少食に勝る薬は無い」ということ
ここで言いたいのは「大食いをする人は早死にして、小食の人は長生きする」ということ
実際に食事の摂取カロリーを制限すると体力が増し、寿命が30%以上伸びることが実験の結果明らかになっている
このように彼が200年前以上に分かったことが最近になってから科学的に証明されてきている
小食にすると集中力が上がり、精神的に充実する
✅人間はちょっと空いている状態が一番肉体・精神的に快適
食事をする前は誰でもそう感じるはず
➡なぜならその状態が人間にとって本来の良い形であるから
にもかかわらず食べ物を食べ過ぎると不快な気分になってくる
例:食べ過ぎると苦しくなる・動けなくなる
実際に大食いは胃腸に負担をかけ、そのために心が乱れる
➡「人間は少し飢えている状態が最も良い状態」
ボクサー・女の子とのデート・創作活動もちょっと飢えているくらいが一番良いパフォーマンスができる
お腹がパンパンのボクサーは戦えない
例:司会業をしているタモリ氏は毎日1日1食しか食べず、特に27時間テレビの司会中は何も食べないことで有名
あまりに何も食べないので心配してそのことについて聞くと「消化はものすごく体力を奪う。こういう時は絶対何も食べない。」と繰り返していたそう
食事をたくさん食べると消化に余計な負担がかかる
内臓に血液が集まり血糖値が上がって、その間頭に血が回らなくなる
➡お昼ごはんを食べ過ぎた後に眠くなったりボーっとするのはそのため
頭が回らなければ司会もできないし、話したり文字を書くような知的な仕事をすることもできない
➡少食にするだけで集中力が上がり、精神的にも充実してくるはず
小食にすると運がよくなる
✅たとえ生まれながらに酷い人相、不運で体が弱い人でも少食を続けることができれば幸福になり長生きすることができる
大食いとか酒飲みでも成功している人はいる
しかし水野南北は「暴飲暴食するものは、たとえ才能や運で成功したとしても決して長続きはしない」と言っている
なぜなら沢山食べると身体と精神の調子を崩すから
➡その結果運が悪くなり早死にしてしまう
水野南北は何を食べていたか
✅白米と肉を食べてはいけない
水野南北がいた時代は街では誰もが白米を食べるのが当然になっていた
しかし水野南北は白米を食べずお餅なども口にせず、1日にお椀に3倍ほどの麦を食べお酒を1日に1合限りと決めていた
また水野南北は無類の酒好きだったが、それでも制限していた
もちろん彼は白米が食べたいという気持ちになったが「精米することで栄養をそぎ落として白米にして食べることは非常に悪いこと」だと考えていた
また水野南北が避けていたのは肉食
「肉を食べると心が濁り大きく出世することができない、また長生きすることもできず幸せな老後を迎えることができない」と書いてある
なんでこんなにも肉を注意するのかというと、肉を食べるとついつい食べ過ぎてしまうから
ただし老人の場合は肉を少し食べることを勧めている
食欲がないのなら食べてはならない
✅朝に「腹減ってないなー」と感じる際は食べるな
➡いつもお腹に物が入っているから食べたくなくなっている
そんな時は食べても味がしない、逆に空腹だと何を食べても美味しい
➡それが本来の食べ物の味
味があまりしなくなったり「おいしくないなあ」と感じる時は食べ過ぎている可能性が高い
そんなときは1日3食食べているのなら2食に、2食なら1食にしてみることをオススメする
実際にお腹が空いているときは味噌汁と麦飯、野菜だけでもとても美味しく感じることができる
もし食べている途中でおなかいっぱいになった場合は、残りの食べ物は捨てるかもしくは貧しい人たちに与える
もったいないからといっても腹の中に入れるくらいなら捨てるべき
お腹に食べ物が入るとわざわざ消化しなければならない
➡そうすると体に負担がかかる
それなら人に分けるか捨てておけば虫や動物が食べる
しかし今の時代ではどれも食べずにそのまま廃棄されてしまう
お腹いっぱいなら迷わず残した方がいい
残すのは悪いことではない、残さない方が悪いこと
それが水野南北の考え方
少食の量について
少食の量は人によって大きく変わり、腹八分目の感じ方も人によって違う
特に体を使って仕事をしている人と、体を使って仕事をしていない人では食事 の量も大きく変わる
激しい肉体労働の仕事をする時は食事の量を増やし、仕事が軽い人は食べる量を減らすべき
また体つきや体質年齢によってもその量は違ってくる
もちろん若い方が食事の量は増える
➡それでもお腹が8分目になったところで食事はやめるべき
食事をコントロールすれば人生は変わる
水野南北は少食にさえしておけば、どんなことがあっても何とかなると考えていた
外に出かけ散財し欲に身を任せたとしても、食事さえ謹んでいれば不運になったり病気にかかることもないと考えていた
それどころか少食にさえしていれば長生きして財産を築くことができ、悪いことを遠ざけることができると考えていた
なぜここまで食事に執着したのかというと、
✅「食事の欲」というのは一番強いから
➡食事のような強い欲求をコントロールすることができるような人は、他の全ての物事に対してもコントロールすることができる
大食いする人は自分をコントロールできていない
➡つまり自分をコントロールする最高の方法が少食
まとめ/水野南北「食は運命を左右する」
この本のもとが書かれたのは江戸時代のため、今とはかなり食事の文化が違う
肉の質も悪かっただろうし、美食だと考えていた物 ・労働環境も今とは大きく異なっていたはず
そのため「1つの事例」として聞いて欲しい
フェルミ「私は皆が小食になった方がいいとは思っていないし、むりにオススメしているわけでもない。私だってお肉を食べるし、たまにはお菓子だって 食べる」
だから何をするのか自分の頭で考えて決めること
これだけ少食のすごさをアピールされると少食にしたくなるだろう
特に今の世の中は体に悪いものだらけ
美食を食べるために列をつくり、バイキングに並ぶ人たちを俯瞰して見ることができるかもしれない
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