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評価する際のマイルール

はじめまして。株式会社ZOZOテクノロジーズでEngineering Manager(EM)をしている「あらら」です(注1)。今回はEMとして仕事をする上で大切にしている、「評価」について書きたいと思います。

評価をするポジションとして数年働いていますが、メンバーの評価は非常に難しく、評価者としての経験や評価制度の深い理解が必要です。評価という括りだと書きたいことは沢山出てくるので、今回は話を絞って、評価する上で大切にしているマイルールを紹介します。
※なお、この記事はZOZOテクノロジーズ#4 Advent Calendar 2019の1日目となりますが、現在所属している組織とマイルールは関係ありません。

マイルール

適切な評価を目指す上で「これは絶対に忘れない」と決めて取り組んでいることがあります。「会社の評価制度を理解する」などはもちろん重要ですが、今回は自分が思う「評価者としてのズルさ」が出ないようにするマイルールの話です。現在設定しているマイルールは以下の4つです。

1. 昇給要素に入社時期は含めない
2. 昇給間隔を制御しない
3. 適切な給与を考える
4. メンバーの給与に嫉妬しない

それでは一つずつ紹介していきます。

1. 昇給要素に入社時期は含めない

「入社して○ヶ月だから今回は昇給させない」ということをしないようにしています。会社の評価基準と照らし合わせて、給与にギャップがあるのなら、昇給させるべきだと考えています。

「そんなにすぐ変わるなら、オファー額が適切ではなかったのでは」という話もありますが、面接や面談で分かることと、実際に一緒に働いて分かることは違います。オファー時に期待していた以上の働きをしたのなら、期間に関わらず昇給させるべきです。

もちろん新しい環境ですべて上手くいく人は少なく、転職したばかりでドメイン知識が足りず、能力があっても発揮しきれていない等は多々あると思います。

自分の中で大事にしているのは「入社して○ヶ月だからこの人は上がらなくても不満が出にくいだろう」といった考えで据え置き対象を作らないということです。

2. 昇給間隔を制御しない

2つ目は昇給間隔についてです。「前回上がったから今回は昇給させない(他の人を優先する)」といったことをしないようにしています。数ヶ月で急成長する人もいますし、結果を出す人もいます。評価基準と照らし合わせてフェアに評価するべきです。これが出来ないとメンバーのモチベーションは低下します。

また逆も然りで「長期間給与に変更がないから昇給させる」ということもしません。このような状態のメンバーがいるなら、マイルール以前に別の課題があるはずです。そのメンバーの成長や行動、アウトプットが組織の求めているものに沿っているかを一緒に考える必要があります。昇給しなかった理由が「前の上司の不適切な評価」であるなら、すぐに何とかしてあげましょう。

3. 適切な給与を考える

3つ目は給与が適切か考えるということです。おそらく多くの会社には等級、グレード、ランクなど給与テーブルが定まっています。評価時には給与テーブルに当てはめる必要がありますが、メンバーの昇給を考える際、「ランクは1つずつしか上げない」というような考えはしないようにしています。評価基準と照らし合わせ、3ランク上げるのが適正だと思ったら3ランク上げるようにしています。これをやると一時的なモチベーションはかなり上がりますが、今後求めることがより高くなるので、壁にあたることが想定されます。そうなると次回以降の査定で給与が上がらない可能性が増し、モチベーションコントロールは難しくなります。

そこでやりがちなのが「3ランク一気に上げるのではなく、半年毎に1ランク昇給させよう」のような考えです。これをやると定期的にランクが上がるのでモチベーション管理は少しだけ楽になります。

個人的にはこれはズルい考えだと思っていて、会社の評価基準に沿った適切なランクをつけるべきです。その上で次のステップに進めるように日々示していくのがマネージャーの責務かなと思います。評価者が楽をしたいがために昇給を絞るのは、収入面でデメリットを与えてしまいます。

4. メンバーの給与に嫉妬しない

最後はメンバーの給与に嫉妬をしないということです。評価する人は「リーダー」「マネージャー」と呼ばれる人が多く、メンバーよりも給与が高いことが多いです。ただ、エンジニアに関しては逆も珍しくないのかなと思います。「スペシャリスト」と呼ばれるような技術に特化した人が中途で入った場合、自分よりも高いこともあります。組織の変更があり給与が高い人がチームメンバーになるケースもあるでしょう。その場合でも嫉妬をせず適切に評価しなくてはいけません。給与が低い評価者になったら昇給しづらいということが起こるべきではありません。

また、過去の自分とも比較しないようにしています。「自分が20代の時は500万円もなかった」「この人は若いのにたくさん貰っている」などは全く関係ありません。そんな嫉妬をしてメンバーの給与を制御してはいけません。

まとめ

今回は評価する際のマイルールを紹介しました。大切なことを伝えておくと、マイルール以前に会社のルールがあるということです。「入社してから最初の査定は翌年の4月」などのルールがある会社も多いはずです。また、「予算」があるため全員を上げることは出来ない現実もあります。会社の経営状況にも左右されます。マイルールも大事ですが、会社のルール、状況はしっかり把握しないといけません。それは評価される側も認識しておくべきです。

また、僕は1次評価者としての視点でルールを決めているということです。自分が信頼している人が2次評価者ですし、このようなルールを持てるくらい恵まれた組織にいるのだと思います。

最後に

紹介したマイルールは「過去にやられて嫌だったこと」がベースになっているところがあります。今後noteには得てきた知見、試してきたこと、書籍や勉強会での学びをアウトプットをしていきたいと思います。EMとして成長していこうと思っているので、皆さんよろしくお願いします。

今回僕はEMとして書きましたが、ZOZOテクノロジーズ Advent Calendar 2019にはこれから技術的なことがたくさん投稿されるはずです。皆さんお楽しみに。

(注1)現職ではTech Lead/リーダーみたいな呼ばれ方をしていますが、会社の役職にマネージャーがあるのでEMと記載

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