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【エッセイ】サヨナラのとき

卒業シーズンで
予備校にも春が訪れようとしています
今日はこれまで通ってくれていた子たちの最後のチュートリアルでした

この子は来ないだろうなーというような子と電話で今後の進路を聞いていて案の定、今日は来ないと言われ、
まあいいかとさらっと切ろうかと思ったけど何だか話したそうな雰囲気を感じて
これからの大学生活についてがんばってねと前途を祈る

高卒認定を取って高校に行ってなかった子でチュートリアルにも来たり来なかったりだった。
他の担当職員にも電話をつなごうとすると、
べつにいい。○○さん(私)は感性が合うかなと思ったと言い出す。

え。なんで?
と訊くと
自己紹介の時に私が趣味で小説を書いていると話していたことを覚えてくれていてそう思ったと。
彼も小説を書いていて投稿もしているとのこと。
嬉しかった。
言ってよ!とか言いながら。

これからも続けてね
私も続けるから
と言うと彼は
小さな声ではいといった

残念ながら志望の大学ではなかったけど
与えられた環境を楽しんで、やりたいことをやってくれたらいいなあと思いつつ
一年のお礼を言い合う

私自身もしんどくてやる気を失うことも多々あって正直手を抜いてしまったと思うこともあるのだけど
彼らの行動で助けられたことは、私が助けることなんかよりもほんとに多くあったと思う。

世のお父さんお母さんはそういう気持ちで我が子と一緒に育つんだろうなと未婚の私は思う。

一年はあっという間で
役に立てたか何なのかわからないけど
こういう言葉をいただくと勿体なくて聞いていられなくなるくらい。

サヨナラだけが人生だと
言いたくなるくらいこの季節は
やわらかなサヨナラが溢れていて
何も言えなくなる

どうか、私が出会えた人たちが
この後の人生
苦労も越えていけますように
愛されている自信を持って
強く過ごしていけますように

本当に嬉しいって思う気持ちの前では
どんな言葉も無力で
何度もありがとうって
伝えるだけになってしまう

言葉を尽くすよりも
想いを行動にできるように
っていつもおもう。

そう考えるともっと何も言えなくなる分
私は書くことの方が好きなんだ

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