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ミドルエイジクライシスだと思っていたあの時の俺へ

拝啓
どうも、どうやら流行のあの病気に感染してた47歳の俺です。ワクチン3回目の後と全く同じ症状だった。

あの時の俺は38歳、仕事しながら大学院を卒業したところだね。
大学院の仲間と起業しようとチャレンジしたけど道半ばで空中分解。
その時勤めていた会社は特に問題なかったけど淡々とすぎる日々。
40歳を目の前にして焦ってたね。

日々悶々としながら仕事して、合コンして、家に帰って。
真夜中に部屋真っ暗にしてYouTubeでミスチルのTomorrow never knowsのMV見て泣いたり。

これから劇的に人生が変わるわけでもない
かといってすごい不幸が訪れる様子もない
誰かに迷惑かけてるわけじゃないけど誰の役に立ってるかわからない
何者かになりたいと思って頑張ったけど何者かになれたのかわからない
俺はどうなりたかったんだっけ
これが俺の人生だったのか
一体俺は何やってるんだ

あの時の俺はこんなこと考えてた。
これがミドルエイジクライシスってやつなのかって。

ずっと何者かになりたいって思ってた。
夢を叶えられず、クビになった瞬間からずっとそう思って頑張ってきた。

ここまで、なんとかうまくやってきたと思う。
人よりもいろんな経験もできた。
少なくない回数の転職をしてキャリアアップもできた。
たくさんの友人に恵まれた。
外から見れば、そんなに悪くない人生だろう。
でも心の中は焦りだらけだった。
見えない、得体の知れない不安を抱えていた。

数年後に結婚して子供が産まれて、その数年後に離婚して。
子供のことを考えることが多くなった。
あの時の俺よりも状況は悪いはず。それでもあの時の得体の知れない不安はない。明確な不安をいくつもあるけど。
再び独りになって考えた時、なぜあんなに不安を抱えていたのか少しだけ分かったような気がした。俺は気づいた。

あの時の俺は、自分のことだけしか考えてなかったから、あんなふうに不安を抱えていたのだと。

自分以外の誰かのために生きられるとしたら、その人の人生の一部を生きられる。自分の思いを託すわけじゃないけど、誰かの役に立てるなら。

あの時の俺。
自分のことだけしか考えてなかった。
自分の人生を生きることだけを考えていた。
俺はどうあるべきか、こうしたい、こうなりたい、ああなりたい、そればっかり考えていた。
自分という枠の中でしか物事を考えていなかった。
苦しかった。

でも、逆境が色々自分に気づかせてくれるよ。
利他の精神、自己犠牲の精神が、自分の可能性を広げる。
自分ひとりの人生なんてちっぽけなもんだ。

じゃあな、頑張れよ。あの時の俺。
そんな自己啓発本ばっかり読んでても、なんの役にもたたないぞ!
敬具



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