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その人が料理ができるかどうか見極めようとしてたあの時の俺へ

拝啓
どうも、リュウジのバズレシピを見ながら料理をするのが楽しくなってきた47歳の俺です。あの四角いフライパン欲しい。

あの時の俺は35歳ぐらいかな。連日合コンに励んでいたあの頃。

周囲で結婚するって話をよく聞くようになったね。あの頃はまだ結婚が自分にとって具体的なものではなかった。いずれはしたいけど、今はまだそんなにって余裕ぶっこいてた。その結果がその後の人生につながるんだけど、それはまた後日。

合コンでよく聞く、聞かれる質問。
「どんな人がタイプなんですか?」
本音で答える人もいれば、ふわっとした答えの人もいる。
女性は「優しい人」
男性は「料理が上手ない人」
なんて答えておけば無難だろう。
かくいう俺も、この「料理ができる人」という答えをしていた。

俺の母親は料理が得意だった。
決して裕福な家庭ではなかった、むしろ貧乏な家庭だったが、母親は働きながら子どもたちの料理を手を抜くことはなかった。冷凍食品をつかったことがない!というのが母の自慢で、俺が帰省するたびに何度も聞かされていた。(冷凍食品はとっても美味しいし、今の俺はフル活用している)
その影響なのか、お付き合いしたり、いずれ結婚する相手には料理が得意であってほしいと思っていた。

ただ、合コンで質問するぐらいではその人が本当に得意かどうかわからない。率先して料理を取り分ける女性は・・・なんて目で見てたが、それと料理ができるかどうかはあまり関係がない。(なかった)

自分のことは差し置いて、相手に対しては仕事ができて、家事もできて、みたいな勝手な理想を描いてた。独身の頃は自分で料理することもほとんどなかったくせに。

そんな俺も結婚した。
そして離婚した。(された)

再び一人暮らしに戻り、今はほぼ完全自炊になった。
YouTubeで色んな人のレシピを見てそれを自分で作って食べて。料理することは嫌いじゃない。いろんなことを同時にすすめなければならないことは仕事にも通じると思う。世の男性はみんな料理すればいいと思う。

独り身になり、自分で料理するようになってからしばらくしたある日。
何気なくテレビを見ていると、番組で芸能人たちがBBQをやっていた。
昔合コンで知り合った女性たちとBBQ行ったなーなんて思いながら見ていると、あるシーンが目についた。
女性陣が食材を包丁で下ごしらえするシーンだったのだが、ある2世タレントの手付きをみて、即座に
「この人は普段自分で料理してない」
とわかったのだ。
料理をしている人の手付きからはあまりに遠かったから。

この時、長年の問いに一つの答えが出た。
「相手が料理する人かどうか見分けるには、自分がやればいいのだ。」
そして、もう一つ。
「女性が料理できるかどうか見極めようとしている自分が間違っていた。料理が得意であってほしいというその考えがダサかった。自分でやればいいのだ」

古い価値観、固定観念に縛られていた。
「女性は料理ができるべし、そういう女性が好き」
なんて昭和の価値感で生きている男性なんて女性側から願い下げだ。

女性はこうあるべき、男性はこうあるべきなんてのはもうない。得意な人がやればいい、やりたい方がやればいい。
自分の傲慢さ、愚かさに気づいた瞬間だった。
こんなんだから今、こういう状態になってるんだなと。死ぬ前に気づいてよかったと、自分を慰めてみる。今となっては後の祭り。

後日、母親に聞いてみた。いつから料理が得意だったのか。
答えは
「結婚するまで料理なんてしたことなかった。結婚して、子供が生まれてから必死で勉強した。最初からできたわけじゃない。あの頃は必死だった」
母親みたいな、料理ができる女性がいいなと思ってたのに、その母親は最初から料理ができたわけじゃなかったのだ。

合コンに励んでいるあの時の俺よ。
女性が料理できるかどうか見極めるためには、自分が料理をすればわかるようになるよ。でも、そもそも今できるかどうかは大きな問題じゃない。できなかったら、できるようになればいい。そもそもできるほうがやればいい。女性は自分のお母さんではない。

人間、死ぬまで勉強だね。
あの時の俺に伝えても、きっと分かろうとしないんだろうな。そうなってみて初めて気づくことがあるね。人間は愚かだ。

じゃあな、頑張れよ。あの時の俺。
敬具







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