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#のめないランタンのあかりで文字のジョンからだ揺らそ

#のめないランタンのあかりで文字の
ジョンからだ揺らそ
                

窓辺の暗がりで
静かに少女は花火をのんでいる
それが今日のおくすりで
窓を閉める

ゆうがたにかけて天気はくずれ
お天気だってくずれるのだから
米に浸かった水の残りを
庭にかけている
おばあさんのむ
植物のひとものひとものが
わらうのが聴こえる

ランプシェードの炎は
電池だから燃えない
のめない火で
テーブルに灯る
ラストオーダーまで
飲み物で粘った日が宝物になっていく

ほかに
ないと思える一日の長さを
ひとりと思えるからだで
悶えている

電気じかけの火で揺らそ
ジョンのからだ

いない生き物の名前をつぶやくと
少しホルモンが出る
子ヤギの姪に
ひらかれた弟のかたつむりに
鳥かごをくぐると
ランプシェードの通り
揺れもせずてらてら
お寺がないのを光らせていく
靴音だけを星座いっぱい足に花火のむ
名前も付けずに
つゆ草
生まれた
つゆ、つゆ、きみに
どんな言葉を話してもいいのだろう
どうせ最後は

虫かごのなかの
浮遊体たち
暗い通りを
酒・たばこ・ATM
看板のあたりで
人に戻りそうになる

まぶしいから

夕方にかけて天気はくずれ
お天気だってくずれるのだから
よわい水のほそいくびれ
魚にもなれない
恋をするかも知れない
坂を数えて
どうやって水枕にして
勉強したことにすればいい

酒・たばこ・ATMよ
おじさんは地面に唾を吐く人
酒・たばこ・ATMよ
おばさんは空を見上げる人
おみくじにそう書いてあったと
木に近寄ってどうすればいい
ハリーポッターよ
あつぃ、おむすびたちよ

まぼろし
季節を合わせていくように
熱のある
あえぎ文字
ランプシェードが燃えている

ハッカ飴と拍手に近い音で
降り出したにんげん色
がとけていくとけて
とろけて地面に唾も吐けず
空も見上げないなら
酒・たばこ・ATMよ
笑ったことを
地面にひろがりながら
どこまでも買い物ぶくろを結びに
うすれゆくほ影が街とひとつになりほう
なりほう、
あしあとを照らす

じょんから星から
節のないジョンから星穴へ
はっか飴と拍手まじり流線夜の地形に
おんぷ粘膜おんぶ血豆ふくれてふくれ
裂ける火に億百ただいま歩いて数えず
サビオはればいい晴れればフリマに出てゆけ
酒・たばこ・ATM立ち上がれ
地上に幾つも駆け回って

シーワズアガール
骨身にひびく宣言あかりを
旗にさかせて、さひからせて
ランプシェードが
失くした顔を照らして
また失くした何を失くした
靴下の劇場に
小動物たちの卵が
骨よりもせまい道ころになって
どんな音を立てていても
どんぐりひとつ動かせないちからこぶ
おじいさんはかつて雪の少年
風の味がする通りを
ランプシェードひとつで
明るい街かごに戻る
テレビが映る
たわいない今日で
ほのお、焔ほの、炎のお、焔えんエンエーン
何が面白くて
ぶらぶら照らされるわけでも
降ってぶらぶら
生きてるわけでもないから
からだ、なりほう
ささ、なりほう
その声も
じょんから

裏返っていく虫あみの 
ひとつひとつを掬いきれずに
まだ色のない夢がそこはかの
音をきみに
ささなりほう
花火のむ
ジョン 
からだなりほう
遠い虫かごの奥にもう
呼びかけなくてもいい
ハッシュタグをひとむしり
いつかまた鳴く
夕闇の虫のかわりに

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