最新戦法の事情 【居飛車編】2023年春季号 豪華版
どうも、あらきっぺです。
タイトルに記載している通り、相居飛車の将棋から最新戦法の事情を分析したいと思います。
なお、当記事の注意事項については、こちらをご覧くださいませ。
前回の内容は、こちらからどうぞ。
最新戦法の事情 居飛車編
(2023.1/1~3/31)
調査対象局は277局。それでは、戦型ごとに見て行きましょう。
◆角換わり◆
~スライド形を、どう避けるか~
67局出現。出現率は、前回の期間から32.0%→24.0%と推移しており、ガクンと落ちています。ただし、これは先手角換わりの評価が落ちたのではなく、後手が角換わりそのものを避けている可能性もある印象を持っています。
現環境の角換わりは、腰掛け銀で戦うのがポピュラーです。特に、先手はスライド形の将棋に誘導したいという思惑がありますね。なお、スライド形とは、以下の図面の変化のことを意味します。
角換わり腰掛け銀は、仕掛けのタイミングが非常に難しい戦型です。しかし、この形で☗4五桂と跳ねれば、先手はスムーズに打開でき、かつ優位を掴みやすい将棋になります。だからこそ、先手はこの将棋に誘導しているのですね。
さて、ここで後手は銀の逃げ場が二つあります。ただし、☖4四銀は先手良しになる手順が確立されており、後手はこの手を指すことは出来ません。
なお、☖4四銀に対して先手が良くなる変化につきましては、以下の記事をご参照くださると幸いです。
そういった背景があるので、現環境の後手はこの局面を迎えると、☖2二銀と引いて勝負する変化に活路を求めています。今回は、まずこれを深堀していきましょう。(第1図)
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