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最新戦法の事情 【居飛車編】(2021年9月号 豪華版)

どうも、あらきっぺです。

タイトルに記載している通り、相居飛車の将棋から最新戦法の事情を分析したいと思います。

なお、当記事の注意事項については、こちらをご覧くださいませ。

前回の内容は、こちらからどうぞ。


最新戦法の事情 居飛車編
(2021.8/1~8/31)


調査対象局は68局。それでは、戦型ごとに見て行きましょう。


◆角換わり◆
~激流を緩和せよ!~


17局出現。7月から出現率は20.4%→25%と推移しました。今回の期間では、最も数字を伸ばした戦型です。

角換わりが増加した要因は、「先手が勝ちやすい将棋に誘導しやすいから」という理由が一番だと見ています。具体的に言うと、先手は腰掛け銀からスライド形の将棋に持ち込むのが一番人気ですね。なお、スライド形とは、以下の図面のことを指します。

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ここからの変化は多岐に亘りますが、後手は苦労を強いられることが多く、現環境では満足に戦えていないケースが目立ちます。ただ、8月の上旬に後手が新機軸を出した将棋が登場しました。今回は、この将棋を取り上げてみましょう。(第1図)

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この局面は、スライド形基本図から△5四銀▲4五桂と進んだ変化の定跡形です。この局面に至るまでの詳細な変化は、以下の記事をご参照してくださると幸いです。

【スライド形 ▲4五桂と跳ねる変化】
2021年8月号

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さて、現局面の後手は6・7筋の歩を突っ掛けているので、攻めの姿勢を見せたいところ。ただ、自陣に目を向けると2二の金が気になる存在です。壁金を残したまま戦うのはお世辞にも賢明とは言えません。

ゆえに、後手は△3二金と悪形を立て直すのが自然ではあるのですが、そうするとすかさず▲2二歩を打たれてしまうのです。

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この戦型の後手は壁金を改善しようとしても、その度に▲2二歩を利かされるので、いつまで経っても壁金を解消できない縛りがあります。その設定が痛く、この定跡は先手が指しやすいという見解が固まりつつあるのです。

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しかし、後手はその問題点をクリアする修正案を打ち出しました。その手順が、△8六歩▲同歩△8五歩▲同歩△3二金ですね。(第2図)

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