最新戦法の事情 【居飛車編】(2021年8月号 豪華版)
どうも、あらきっぺです。
タイトルに記載している通り、相居飛車の将棋から最新戦法の事情を分析したいと思います。
なお、当記事の注意事項については、こちらをご覧くださいませ。
前回の内容は、こちらからどうぞ。
最新戦法の事情 居飛車編
(2021.7/1~7/31)
調査対象局は103局。それでは、戦型ごとに見て行きましょう。
◆角換わり◆
~基本形からの逸脱~
21局出現。少なくはありませんが、爆発的に指されている訳でもありません。現環境の角換わりは、かなり定跡が煮詰まり、「一見さんお断り」という雰囲気すら漂います。
角換わりを採用した際、先手は大きく分けると腰掛け銀と早繰り銀のどちらかを選ぶことになりますが、現環境では腰掛け銀が人気です。これの理由としては、「スライド形」の将棋に誘導すれば、満足に戦えるという背景があるからです。
なお、「スライド形」とはこの局面のことを指します。この局面は、基本形の将棋と比較すると手番が一手ズレていることが特徴です。先手はここに至るまでに手番を調整する工夫(自分が一手損する。もしくは後手に一手損を強要させる)を講じれば、「スライド形」の将棋に誘導することが可能ですね。詳しい理屈は、以下の記事をご覧くださいませ。
さて、ここで後手は△5四銀と上がるのが自然です。対して先手は、
(1)▲6七銀
(2)▲4五桂
の二つに岐れます。
(1)は銀矢倉を作り玉型の差を主張する指し方で、実戦的な勝ちやすさが魅力です。ただ、これは前回の記事にて解説したので、今回は(2)の▲4五桂を掘り下げてみましょう。(第1図)
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