最新戦法の事情【振り飛車編】(2021年8月号 豪華版)
どうも、あらきっぺです。
タイトルに記載されている通り、振り飛車の将棋の最新型を解説したいと思います。
なお、当記事の注意事項は、こちらをご覧くださいませ。
前回の内容は、こちらをどうぞ。
最新戦法の事情 振り飛車編
(2021.7/1~7/31)
調査対象局は71局。それでは、戦型ごとに掘り下げて行きましょう。
◆先手中飛車◆
~△4一金型を維持する~
12局出現。出現率は16.9%であり、5~6月から大きな変化はありません。
居飛車の作戦ですが、7月は後手超速の採用数が減り、持久戦が増えている傾向があります。(後手超速系は4局、持久戦系は6局)
一口に持久戦といっても居飛車には色々な指し方がありますが、最もポピュラーなのは一直線穴熊でしょう。(第1図)
一直線穴熊に対しては、相穴熊で対抗するのが一般的です。やはり、持久戦では堅さ負けしないことが大事な要素の一つですから。
ところで、この局面で居飛車の配置に違和感を覚えた方は、なかなか鋭いですね。具体的には△4一金型を維持していることや、△2二銀を優先していることが目を引きます。しかし、これが面白い工夫なのです。
例えば、ここから振り飛車が淡々と囲いを固めたとしましょう。すると、居飛車は次のように組んできます。(第2図)
角を転換するのもよく見かける指し方ですが、相変わらず△4一金型を維持していますね。ただ、これが安定感の高い組み方になっているのです。
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