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熊本のマチナカに、イベントスペースをつくろう!上乃裏CIRCUS開業日記③

こんにちは!“あらきん”こと荒木です。

前回の記事では、ヒト・コト・モノが繋がり、新しい価値や文化が創出されていく場所を作ろうと、熊本の一等地に物件を借りたこと。「上乃裏サーカス」と名付けたこの空間を、ワクワクできて「好奇心」と「未来創造」を加速させるエンターテイメント空間にしていくこと。そして共感・賛同してくれる仲間を増やすべく、作戦会議を開いたことを書きました(詳しくは前回の記事をご覧ください)。今回は「上乃裏サーカス」を誰が・どのように利用できるか? そんな話をしていきます。


『上乃裏サーカス』をどうやって持続させる?

前回の記事にもお書きしたように、「上乃裏サーカス」で新しい学びと発見の機会を提供し、繋がりが加速化する場所にしたい。そのためにスパイスの効いた企画、ワクワクするようなコンテンツを厳選し、新しい文化や価値を発信していきたいと考えています。

それも一過性で終わっては意味がないので、どう持続させていけるかがとっても大事。そうなると、やはり欠かせないのが仲間たちの存在です。僕が大きく成長する機会を与えてもらった「アップフィールド」のような空間を作りたい。思いに共感・賛同してくれる仲間たちと一緒に、この『上乃裏サーカス』をどう使い、どんなことを仕掛けていくか? そうしなかで僕がもっとも頭を悩ませていたのが、「固定費をどう捻出していくか?」でした。

家賃や水道光熱費を考えると、毎月の固定費が50万円くらいかかります。さらにスタッフを置くとなると人件費も必要になる。理想の物件が見つかったこともあって、まずはそこを借りることが最優先で、そのあとどう維持していくかといった採算面は正直、まったく考えていませんでした。「えっ、そこ考えていなかったの!?」と驚かれそうですが、はい、それが僕です。まずは目の前に現れたチャンスをつかむことが大事だと思うから、どう折り合いをつけるかは後から策を考える。とはいえ、毎月50万円以上のお金が出ていくとなると、なかなかの負担です。どう採算を取るか、あぁでもない、こうでもないと考えれば考えるほど手が震え、夜も眠れない状況がしばらく続きました。そこで当初考えたのが、イベントがあるとき以外はクローズしてしまうこと。そうすれば、ひとまず固定費を必要最小限に抑えることはできます。

そもそもやりたいのは貸しスペースじゃない!


いや、でもちょっと待てよ。

予約のない日中はクローズにして、平日の夜と土日祝日にイベントを埋めていく方法・・・考えていくうちに、この案はなかなか難しいと感じました。

『上乃裏サーカス』の会場使用料を3時間・3万円(平日夜)に設定した場合、固定費の50万円を補うためには最低でも1カ月あたり17本。つまりそれ以上のイベントをやり続けないと採算が取れません。それを続けていくのって、結構しんどい。そもそも僕は貸しイベントスペースをやりたいわけではありません。

「アップフィールド」のようにコミュニティの生まれるスペースを作り、そこでいろんな人たちと出会い、面白いことを一緒にやっていきたい。それなのに、このままではスペース貸しだけの業態になっちゃう。たくさんのイベントを詰め込んで回していかないといけないのは実現可能性が見えないし、面白くないし、何よりも精神的にキツイ。じゃあどうするか? そんな悶々とした気持ちを抱えていたとき。「あらきん、これこれ!」と解決策へ導いてくれた人物が現れました。

 

ベテラン経営者のアドバイスで「仕組みづくり」の重要性を知る


「これからどうしよう!アイデア、相談にのってください。」。そうSNSでつぶやいたところ、即座にコメントにレスしてくれたのがイタリアンレストラン「tutti(トゥッティ)」を経営するオーナーシェフの“たっちゃん”こと中村龍也さんでした。「イベント貸しだけじゃなく、月額の会員制を設けて固定費を極限まで減らすこと」と書いてあり、そのときはまだピンと来ていませんでした。


くまもんとtuttiオーナーの中村シェフ


ともあれ、モヤモヤした気持ちを払拭させようと「tutti」へ飲みに行くことに。すると、カウンター席の奥からたっちゃんが顔を出し、「あらきんらしいね」とこの取り組みを賛成してくれたうえで「固定費を補うための仕組みを作らないと店舗経営は難しいよ」とアドバイスをくれました。飲食店の経営者として20年以上、第一線を走り続けてきた彼だからこそ、いかに固定費を下げて安定収入を得るかといった収支バランスのセンスに長けています。

もらったアドバイスをもとに色々と考える中で思いついたのが、クローズドするつもりだった平日昼間を、会員制の自由に使える空間として開放する仕組みです。月額制の会員になれば平日11時から17時までの時間帯を自由に利用できる。会員さんだけが自分の居場所として、ゆっくりと自由に使えるようにします。これなら、月曜から金曜までの日中もムダなく活用できるぞ!


「2つの顔」を持つ空間

イベントスペースになる平日夜間と土・日曜・祝日以外は、会員限定のコミュニティスペースとして開放する。一般的なコワーキングスペースと異なる点は、ワークスペースとしてだけでなく打ち合わせや面談に利用してもらっても良いし、カフェや休憩スペースとして過ごしても良い。熊本にこれまでになかったような居心地の良い空間にしようと考えました。例えるなら、空港の有料ラウンジのイメージです。

こうして平日の日中は会員制ラウンジ、平日の夜と週末はイベントスペースという「2つの顔」を持つ空間として活用することで、「固定費をどう捻出していくか?」の解決策がひとまず見つかり、ひとまずホッ。

イベントスペースの名称が『上乃裏サーカス』だから、会員制ラウンジの名称は何にしようかな? とあれこれ考えて思いついたのが……。

「楽屋(がくや)」

そう、ステージに立つ前に演者たちが待機する、あの空間です。サーカスなどで出番を待つ間、リハーサルをしたり、原稿の読み合わせをしたり。あるいは、つかの間の休憩をとる人もいれば、食事する人もいる。ひとつの同じ空間で、一人ひとりが思い思いの時間を過ごすという使い方は、まさに「楽屋」そのものです。それに、「楽屋」という漢字もなんだか楽しげで、この空間のイメージにぴったり。

ちなみに会員特典は、ラウンジを利用できるだけではありません。『上乃裏サーカス』が目指しているのはあくまでもコミュニティスペースですから、繋がりが生まれる仕掛けをつくりたい。そこで考えたのが、次の3つの料金プランです。

50名までオープニングメンバーとして、割引価格を適用!
最初から携わる仲間に優しい料金に。

街ナカで利用できる"会員制ラウンジ"

会員は「グリーン」、「シルバー」、「ゴールド」から選択でき、月額8千円〜5万円。まずメンバー共通の特典として、平日昼間の11時から17時まで「楽屋」をプライベートなラウンジとしていつでも自由に使えること。コーヒー&ソフトドリンクは飲み放題ですし、別料金で軽食やアルコールも提供します。しかも「グリーン」メンバーであれば同伴者1名、「シルバー」と「ゴールド」メンバーは同伴者5名まで無料で利用できますから、カフェ感覚で友達を招待したり、打ち合わせなどに利用したりもできます。

通常、ちょっといい雰囲気のカフェでお茶しようとなると、コーヒー2杯で千円くらいはかかります。仕事の打ち合わせなどであれば2、3人で2千円弱は支払うことになる。しかも周りには一般のお客さんもいますからあまり落ち着かないし、喫煙できる喫茶店ともなれば、狭い空間でタバコを吸っている人たちもいる。

その点、ここの会員メンバーになると、居心地のいい空間をゆっくり使うことができます。打ち合わせや商談をしたり、プライベートオフィス的に使ったり。待ち合わせまでの間、カフェとして利用するのもいい。平日昼間であれば、熊本中心地の上乃裏(かみのうら)にある特別な空間を、いつでも自由に使えるわけです。

そして『上乃裏サーカス』ならではの特典といえるのが、イベントスペースをお得に利用できること。会員の皆さんは『上乃裏サーカス』が主催するイベント割引価格で参加できますし、「シルバー」メンバーであれば会場使用料40%オフでイベントスペースとして貸し切ることができます(月2回まで)。さらに10名限定の「ゴールド」メンバーになると、平日夜間に 月2回、または土・日曜・祝日いずれか月1回、イベントスペースをなんと無料で貸し切ることができる(いずれも5時間)。「ゴールド」メンバーの月額は5万円(オープニングメンバー:3万円)ですが、イベントスペースの利用料金が一般価格だと1時間2万円(最低3時間から)ですから、毎月1回でもイベントをやる方であれば、すぐに元が取れる計算になります。しかも「ゴールド」メンバーであれば、イベントスペースの無料特典を使いきっても会場使用料は50%オフが適用されるので、1カ月に3回以上使う方にとっては、さらにお得なプランとなるわけです。

冒頭でお伝えした通り、そもそもこの『上乃裏サーカス』は、新しい価値や文化が創出されていく場所を作ることが目的です。「好奇心」と「未来創造」を加速させるエンターテイメント空間にしていくために、ワクワクさせたい、ワクワクしたいという皆さんに仲間(会員)になってもらいたい。そんな理由から、ラウンジ利用だけではなくイベントスペースの特典も付け加えようと、このような会員システムを考えました。

そして会員になれるのは100人限定、しかも紹介制です。なぜなら、あくまでも会員さん同士の繋がりやコミュニティを大切に育てていきたいから。会員のみなさん同士が安心して利用できる場所にしたいのです。そして、会員の皆さんと一緒にこの『上乃裏サーカス』を盛り上げていきたい。

こうしてようやくこれからの先の展開がイメージできるようになり、『上乃裏サーカス』本来の目的、やりたかった方向へと進む足掛かりができました。

実は、さらなる裏の仕掛けも考えています!!!続きはこちらをぜひお読み下さい!


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