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【9/12】パイの美ぐらい層が厚い!?新生ロッテ中継ぎ投手陣~澤村獲得の効果を探る~(徳)

0. はじめに

「(速報)澤村拓一、千葉ロッテへトレード移籍」の一報が世間をざわつかせてから早一週間強、澤村は既に2試合に登板し、トレード相手の香月もジャイアンツファームで出場するなど、トレード後の環境に各々が適応しようと日々奮闘している。澤村はロッテの広報への協力も積極的で、連日ロッテのお菓子を持った写真や、非常に名前の似ているポケモンと同じポーズを取った写真がSNSにアップされる様子は、かつての澤村のイメージとはまた違った魅力を見せている(結構毎日楽しみにしている)。

今回の記事では、そんな澤村が加入した好調千葉ロッテを支える中継ぎ屋台骨について、澤村がどんな影響を与えているかを探ってみたい。

1. 澤村加入後のリリーフ陣について~先週1週間の登板結果を分析してみる~

 9/7にトレードを発表、9/8に即一軍選手登録された澤村は、9/8のファイターズ戦でいきなり登板機会を与えられ、3者連続三振と早速満点のピッチングを見せた(奇遇にも対戦相手は元同僚の大田やビヤヌエバであった)。

実は前半戦の千葉ロッテはリリーフで少し苦戦していた節がある。(参考:https://full-count.jp/2020/09/08/post889755/)。救援防御率は4点台でリーグ4位、おまけにジャクソンが電撃退団など上位に食い込む中で一つ穴が空いているポジションがリリーフである。先発ローテの防御率も

「石川 3.82 美馬 4.84 種市 3.47 二木 4.73 小島 3.52 中村 3.80」(2020.9.12現在)

と比較的高めであり、松永の不在もありリリーフ陣の整備は急務であった、

その中で、澤村加入週のリリーフ陣は生まれ変わったかのような安定感を見せた。

澤村加入週(9/6-9/11(9/12は雨天中止))のリリーフ陣成績

・15回 1失点 防御率0.60(永野の1失点のみ)

・被安打 9 / 奪三振19

・この間のチーム成績 4勝1敗

上記の通り、リリーフ陣は完璧な投球を見せた。そんな1週間を振り返りたい。

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(図) 先週(2020.09.06-2020.09.11)のロッテリリーフ陣の投球内容・平均球速

カットボールを多投する唐川・昇格したてサウスポーの永野を除くと、5枚の右投げリリーバー達は140km台後半のストレートを武器として持っている。その中でもストレート主体で緩急をつけながら10km以上球速差がある変化球も操る投手が多く、益田のシンカーなどはその代表格であろう、澤村のように150km超のストレートと同じく速い変化球を操る投手は一軍にいなかった。

表を見る限り、投球の組み立て方としては、150kmに迫る平均球速を誇る小野がストレート主体の投球で最も澤村に近しい投手のように思える。続いては、各投手の見逃し・スイング率を見てみよう。


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(図) 先週(2020.09.06-2020.09.11)のロッテリリーフ陣の見逃し率・スイング率

小野はスライダーを織り交ぜながらファウルでカウントを稼ぎ、三振を取る際は見逃し三振を奪っていた傾向にある。また、ボール球率も比較的高くバッターに見極められる確率も比較的高かった。一方の澤村は他のリリーバーに無い空振り奪取率を誇り、ファウルで粘らせる余地を与えずに低めのスプリットで三振を奪う投球スタイルであった。他のリリーバーを見るにファウルでカウントを整えさせながら凡退へ追い込むタイプが多いため、澤村が新しい風を吹かせていることは間違いない。

澤村に触発させられたかのように他のリリーバー達も無失点を重ねた。あとは左のリリーバーが揃えば救援陣は比較的盤石といってもよいのではないだろうか。左は昇格した山本やファーム調整中の松永・チェン、右も田中や西野・内・南が控えていることを考えると、最終盤の総力戦へ向けて、澤村の加入は非常に大きいものであると言えよう。

2. おわりに

今回は電撃移籍で加入した澤村に関する記事を書いてみた。巨人高梨やウィーラーの移籍後の大活躍と並び、西武内海・広島長野・ロッテ澤村と巨人から移籍していった大物選手が次のチームで実力を発揮し始めている。内海と長野は人的補償ながら、この放出した方もされた方も「Win-Win」の関係性は、比較的おとなしいNPBのトレード戦線を活性化する上でも非常に大きなことである。

伸びていたトレード期限も今月限りとなった。これから駆け込みでのトレードはあるのか、澤村の活躍を見届けながら、注目していきたい。

文責:徳




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