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【荒木定点観測】vol.6 総集編・2020年の荒木貴裕選手を追っかけてみた(徳)

東京ヤクルトスワローズ・荒木貴裕選手の成績を振り返ってみたいと思います。

今シーズン、「ファンである東京ヤクルトスワローズ・荒木貴裕選手の全打席を追っかけてみよう」と始めてみた当企画、ことのはじまりは過去2記事(リンク先参照)から・・・。

1. 今シーズンの荒木貴裕選手全打席全球結果

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1pTVmD5iqVQTRcmUgyorK4emCmtvk7wKB2-7yitUd1AM/edit?usp=sharing

今シーズン一年間の荒木選手全球成績は、もしよろしければ添付のexcelファイルを覗いてみていただきたいです・・・データは全てスポナビのアプリから引っ張ってきています。

(いや、めちゃめちゃ改善の余地ありますね・・・とにかく手打ちしてました一年間・・・)

その中から、本サイトでも何度も引用・参考にさせていただいているような著名データサイトには無さそうな項目・図表を通して、本記事では2020年の荒木選手を振り返っていきたいと思います。それでは、どうぞ!!!

2. 荒木貴裕選手の2020年~振り返ってみよう~

まず、荒木選手の2020年の詳細な打撃成績は以下の通りである。

63試合出場

84打席 73打数 12安打 1本塁打 7打点

打率.164 OPS.481 得点圏.278

代打起用回数 44回(リーグ2位 ※1位は中日・井領の45回)

数字としては、1軍定着後、過去最低の成績となってしまった。

それでは打率の推移を見てみよう。

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(図) 2020年シーズンの荒木選手の打率推移

7月以降、一度も2割に乗ることなく、1回抹消された後、復帰後は少しずつ打率を上げている段階でシーズンが終わってしまった。

昨年の代打を中心に残した.250 6本 22打点 得点圏.348の好成績から考えると、大きく成績を落としてしまったが、高津監督からは辛抱強く代打として起用された印象である。昨年までの実績もあってのことだとは思うが、他の代打陣はどのような成績だったのか、振り返ってみよう。

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(図) 2020東京ヤクルトスワローズの代打成績

右の代打が1枚、2枚足りておらず、代打で実績のある荒木選手の復調を待つ形になったのかと推測される。右で好成績の中山選手は途中怪我をしていた時期があり出場自体が30試合弱しかなく、捕手の西田選手、スタメンとしての出場の多かった西浦選手、代打で同様にあまり結果の出なかった廣岡選手が主なラインナップである。

左では宮本・山崎の2選手が結果を出しており、特に宮本丈選手はリーグ3位の42回の起用にも打率.262と応えていた。

荒木選手は今季

・代打 44打数7安打 打率.159

・代打以外 29打数5安打 打率.172

であり、監督としては代打でなかなか調子が上がってこない中、左投手相手の際にスタメン起用等も交えながら復調を待っていた形であったが、戻り切る前にシーズンが終わってしまった。この84打席・73打数の中身を検討することで、来季以降の復活の可能性を考えたい。

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(図) 2020年の荒木選手が対峙したアウトカウント・塁の状況ランキング

これは、荒木選手が2020年にどのシチュエーションで打席に入ったかのランキング上位3位分である。これを見ると、圧倒的に走者無の場、チャンスメークを求められる展開での起用が多かった。シーズンのほどんどが代打起用だったが、スタメン起用時も巡りあわせから走者無の打席が多かったようである。

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(図)2020年の荒木選手・アウトカウント別打撃成績

アウトカウント別の打撃成績を見てみよう、回数は無死が少し多いものの、おおむね均等であり、結果としては無死が一番結果が出ていた。一死と二死では実際の打率以下の成績をなっていた。

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(図)2020年の荒木選手 走者の有無による打撃成績

続いて、走者の有無による打撃成績を見てみよう、こちらは一目瞭然で、走者無時の成績は走者有時に比べ1割以上も低くなっていた。今季も得点圏打率自体は.278とまずまずの成績を残していたことから、チャンスメークよりもランナーを返す方向での起用がもし多ければ、打撃成績自体ももう少しよいものになっていたのかもしれない。

ここからは、少し違った視点のデータを載せてみようと思う。

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(図) 2020年の荒木選手 球速別打撃成績

これは今シーズンの球速別打撃成績である。こうしてみると、140km以降の直球(別添のexcelには記載してあるが、今季の安打はほぼストレートを打ったものである)への対応は未だ健在であり、凡退の多くは変化球で崩されてのものであることが伺える。来季以降の課題として、この球速による揺さぶりに再度対応出来るようになることが一つ挙げられる。

終盤の代打では、今季もCフランスア投手(10回)・G高梨投手(4回)・T岩崎投手(4回)・De石田投手(4回)といった左の好リリーバーと対戦し、今季はなかなか安打を打つことが出来なかった(D福投手だけは3打数2安打と相性が良かった)。しかし、速球に対応出来ていることは一つ好材料と言えよう。

因みに、EのD.J.ジョンソン投手とリーグをまたいで対戦した数少ない打者でもあった。これはどうでもいい情報でした。

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(図)2020年の荒木選手 何球目に打っていたかの打撃成績

これはおまけだが、荒木選手が何球目に強いかについてもまとめてみた。こう見ると、初球打ちは全くうまくいかなかったものの、2球目・3球目といった早いカウントでの仕掛けが上手くいっており、4球目以降はあまりいい結果には繋がっていなかったようである。

カウントが悪くなるほど凡退の確率が上がるのは確かであるが、粘り打ちというよりは早いカウントで勝負した方が良いタイプであることが伺えた。

最後に、今季の安打だけ振り返って終わろうと思う。

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(図) 2020年の荒木選手 安打の振り返り

先ほども述べたように、打った球はほどんどストレートであり、引っ張っての打球が比較的多かった。右投手相手に1本しかヒットが打てなかったことも一つ、来季への課題になるだろう。

惜しむらくはスタメン時の対戦もあり、前監督時代からよく起用されていた、愛媛でサヨナラ満塁弾を打ったこともある、D大野投手相手に1安打も放てなかったことである。来季もセリーグにいることが確定しただけに、対戦の機会には是非とも1本打っていただきたいところである。

3. おわりに

今季の荒木選手のデータを振り返り、厳しい数字が並んだが、あえてポジティブな要素だけを抽出すれば

・速球にはまだまだ対応できている

・走者のいる場面では-2019年までのような活躍が期待できるかもしれない

・早いカウントで勝負出来れば・・・!!

といった傾向を見つけることが出来た気がする。

今季はデータを追っていても1ファンとしてもどかしいシーズンだったが、ツボにはまった長打力やユーティリティ性、チャンスでの強さはまだまだスワローズにも必要な要素であると信じたい。

チームは最下位に終わり、これから若手へと一気に世代交代が進むことが予想される。その狭間で、生き残ることが出来るかどうか。

来シーズンの荒木選手の巻き返しに期待し、注目したいと思います。

文責:徳

(追記)ここまでお読みいただきましてありがとうございました。

図がちょこちょこ見出し間違ってたり(すいません・・・)、年をまたいでの公開となってしまったり、課題が山積みでしたが、なんとかレポートの形にはしてみました・・・。

今季もプロ野球がどうなるのか(オリンピックとの兼ね合いとか、コロナの状況とか)すら分かりませんが、本年も、興味深いデータを見つけては何か書いていけたらいいなと思います。

本年も何卒宜しくお願いいたします!頑張れ荒木さん!!(徳)

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