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なんで、渋谷のヤンチャと仲良し?(僕のおもろい仲間たち①)

今から10年少し前、僕のことを珍しく「兄貴!」と呼ぶコンサルの後輩みたいなヤツが、「渋谷で結構いけてるやつら(20代前半)がいて、ギャルモデルとか束ねてて、でも最近芸能界の怖い人とかいろんな人が寄ってきて何が本当の話か分からないので、芸能・エンタメのことをよく知ってて騙さない大人を紹介してくれって言われるんですけどー」と言ってきた。どんな奴らなのと訊くと「いい奴らです。見たとこちょっとアレですけど」

なんだよ、アレですけどってー。面倒臭そうで嫌だなあ。「でも一回だけ飯でも食ってやってくれませんか?一回だけでいいので…」ということでその後輩みたいなヤツのおごりですき焼きを食べることになり、当時渋谷で遊んでいる若者たちの中で知らない奴はいないと言われたHくんはじめ歴代カリスマたちと会った。

渋谷という街で遊んで、仲間と出会って、助け合い、育て合い、そしていま何を考えこれから何をしようとしているのかを一生懸命語る彼らの話は面白かったし好感を持てた。僕も当時エイベックスにいて彼らが属するヤンキー/ギャルカルチャーやそのコミュニティーに馴染みはなくはなかったが、今そのど真ん中の、現役の、生の臨場感と迫力にとても興味をそそられた。先輩後輩のヒエラルキーはしっかりしていて礼儀正しく、是非これから勉強していくんでエンタテインメントのことや業界のことビジネスのことを教えてください、と頭を下げられた。

「犯罪歴ある?それとクスリやってない?」僕がいきなりしたのはこの酷い質問だ。偏見をもっていたわけではないがやはり聞かねばと思った。犯罪歴があったらダメとか付き合わないというわけではなく、仮にもしそうであっても償っていてくれればそれでいい。何でも正直に言ってくれるかどうか信頼感を試すような質問で悪いが、今日会っていきなり先生になってくれと言われているようなものなので。Hくんからは「どちらもありません!」反社も大丈夫?「大丈夫です」ここまで聞いた以上既に付き合うつもりになっていた。じゃ毎週一回、仕事が終わってから円山町の会社に行くのでまずはもっといろいろあなたたちのことを教えて、と始まった関係がもう12年になった。

彼らとの交流が始まって、彼らと一蓮托生の、ファッション誌で表紙を飾ることの多い19歳-20歳のギャルモデルたちとも話すようになりバースデーを祝ってくれたり(写真は最初の時にプレゼントされたもの)、お祝いをしたり、「鍋パ」に誘ってくれたり、食べ放題のシャブシャブを彼女たちにおごってもらったりもした。

高校生が主体となって行うサークルを集めたイベントの準備会議に参加させてもらいそこにいた数十人の高校生全員から一斉にあいさつされたときは久しぶりにドキドキした。日本語のヒアリングに今までで一番苦労したミーティングでもあった。Hくんたちの原体験がそこにあり、先輩から後輩への継承があり、でも主人公は今の高校生なんだからあくまで自分らが決めて自分らでやりぬくことが大事なんだと熱く語っているHくんたちとともにどうあるべきかを話し合った。夏の江ノ島で高校生だけで行われたイベントでは、準備の甲斐もあって一生の思い出になるだろう素晴らしい盛り上がりと終わった後のごみ一つ落ちていなビーチを見せてもらった。それを嬉しそうに見るHくんたちの姿も忘れられない。

つい先日、創業メンバーAくんが、「荒木さん、この前、昔の、それこそ荒木さんと出会ったころの僕たちの写真をHくんたちと見てて」うん、懐かしいね。「こんなやつらが今僕たちの目の前に現れたら絶対いやだよな、絶対付き合わねえよなってHくんと話してたんですよ。荒木さんよく付き合ってくれたよなって(笑)」

ええ加減にせーよ!見たとこ、本当にちょっとアレだったんだから。


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