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今日は雨(雨の日に書いたものを今日アップします)

 今日は雨。

 あったかいほうじ茶をいれてもらったタンブラーを手に窓辺に行き、

 いったいいつ頃ぶりだろうか、

 雨を眺めた。

 そして見詰めた。

 結露したサッシ。

 水滴に包まれた世界。

 ――幼少の僕も、

 きっとこんなふうに雨を眺めて、

 水滴を見詰めたのだろう。

“ボブ・ディランの歌声は……

 雨降りを見詰めてる女の子を思わせる”

 とか言ったのは、

 春樹の小説に出てきた

 レンタカー屋のお姉さんだったかな、

 違ったかな、

 誰の台詞だったか記憶が曖昧だし

 台詞の中味についての記憶もまあ曖昧で、

 だから

 もしかしたら台詞自体が僕の捏造かもしれないけれど(ひどい言いぐさだ)――、

 ともあれ雨を見ていたら

 むしょうに、

 ボブ・ディランが聴きたくなった。

 曖昧にではなく、

 確かに。



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