オリジナルソング『秘密基地』――と偶然な夫婦(840文字)
ゆうべのこと――、
時刻は0時、
ベッドにウクレレを持ち込んで
小さな音で
歌を作った。
こんな歌↓
作り終わったら
ちょうど、
隣のベッドで
イヤホン挿して
YouTubeを観ていたらしい妻が
「さて、寝るか」
と言って
タブレットを畳んだところで――。
「歌を作りました」
と僕は、妻に言った。
「夜中だけど、ちっちゃな声で歌うから聴いてください」
――「いいですよ」と妻が言ったので、
できたての歌を披露した。
妻は黙って
おしまいまで聴いてくれた。
でも――、
「どう?」と訊ねると、
「ううっ……怖いなあ」と、
なにゆえか妻はそう言った!??
――なんですと?? 怖い……?
驚く僕に、
妻が説明してくれた。
「今あたしが観てたのって、森の秘密基地のYouTubeだったんだよ」
――なんと!
「偶然過ぎて怖くない?」
んー。ま、偶然過ぎる偶然ではあるけど……、と僕は思った。――怖くはないかな?
なぜなら――、と続けて思った。気持ちいい風に吹かれてるみたいなひとときだったから……、だからこの偶然は悪い偶然なんかじゃない。
そんなふうに言ってやったら、
「ま、そっかな」と妻も納得したようで――、カピバラみたいな顔になった。
夫婦そろって秘密基地に夢中になってた――
だなんて、実に素敵な偶然じゃないか!
そんなふうに話し合いながら僕らは、気持ちよく眠りについた――。
――もうすぐ夏だな。
文庫本を買わせていただきます😀!