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オリジナルソング『秘密基地』――と偶然な夫婦(840文字)


ゆうべのこと――、

時刻は0時、

ベッドにウクレレを持ち込んで

小さな音で

歌を作った。

こんな歌↓

『秘密基地』

F青いC空 F白いC雲
F風もGひゅーってF気持GちいCい
F鳥もG歌ってF楽GしCそう

Am太陽Em7ギラギラF光GってCる
Am7水面みなもEm7キラキラF光Em7ってCる
F風もGひゅーってF気持GちいCい

F森のC道 F秘密基C地
F風もGひゅーってF気持GちいCい
F鳥もG歌ってF楽GしCそう

Am太陽Em7ギラギラF光GってCる
Am7水面みなもEm7キラキラF光Em7ってCる
F風もGひゅーってF気持GちいCい

F目を閉じCて F友達Cと
F風もGひゅーってF気持GちいCい
F夏のG思い出 FひみGつ基C地

FひみGつ基C地
FひみGつ基C地

作り終わったら

ちょうど、

隣のベッドで

イヤホン挿して

YouTubeを観ていたらしい妻が

「さて、寝るか」

と言って

タブレットを畳んだところで――。

「歌を作りました」

と僕は、妻に言った。

「夜中だけど、ちっちゃな声で歌うから聴いてください」

――「いいですよ」と妻が言ったので、

できたての歌を披露した。

妻は黙って

おしまいまで聴いてくれた。

でも――、

「どう?」と訊ねると、

「ううっ……怖いなあ」と、

なにゆえか妻はそう言った!??

――なんですと?? 怖い……?

驚く僕に、

妻が説明してくれた。

「今あたしが観てたのって、森の秘密基地のYouTubeだったんだよ」

――なんと!

「偶然過ぎて怖くない?」

んー。ま、偶然過ぎる偶然ではあるけど……、と僕は思った。――怖くはないかな?

なぜなら――、と続けて思った。気持ちいい風に吹かれてるみたいなひとときだったから……、だからこの偶然は悪い偶然なんかじゃない。

そんなふうに言ってやったら、

「ま、そっかな」と妻も納得したようで――、カピバラみたいな顔になった。

夫婦そろって秘密基地に夢中になってた――

だなんて、実に素敵な偶然じゃないか!

そんなふうに話し合いながら僕らは、気持ちよく眠りについた――。

――もうすぐ夏だな。


文庫本を買わせていただきます😀!