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前略、昨日までの私へ〜2020年テレスペの振り返り〜

数年前にお店を出したばかりのキミ、お元気ですか?
慣れない店舗運営は大変でしたね。

最初の1ヶ月を過ぎると誰もお店には来なくなり、イベントのない日は連日空席でした。
そもそも営業時間は19:00-23:30でしたっけ?
4時間半しか使わないのに家賃を払うのももったいなかったですよね。

スペースレンタルのサイトに掲載して、ワクワクしながら結局1度も貸せずに不動産屋に怒られましたね。
昼間を友人に貸し出そうとしてまた怒られたりもしました。
今となっては、いい思い出です。

バー、カフェ、かき氷、バー、色々なお店を出しましたね。
でもやっぱり、営業時間中の誰も来ない時間や空席、営業時間外や定休日などがもったいないって思っていましたよね。

営業時間中に空席が続くと、どうせ誰も使っていないのだから、1杯無料でもいいから満席にしたいと思ってました。

店の前を通りずぎる誰かが、無料でもいいから一度来てくれれば明日にも、つながるのに。

ろくにフォロワーも居ない新しく始めたTwitterでそう書いても、誰もお店には来ませんでしたね。

路面店でやっていたときには、お店の前でチラシを配ったり声をかけて無料でコーヒーを出したこともありました。

そうやって来てくれた方が、気ををつかって追加オーダーをしてくれたり、翌日も来てくれたり。

日本って本当に素晴らしいなと思いました。

一度、お店を体験してくれたらどうにかなる。
だったら、無料でもなんでもいいから見学でもなんでもいいから体験してほしいと思うようになりました。

夜のお店の中には「初回無料」というシステムもあるそうで、それの意味がわかったような気がしましたよね。


ダイニングバーの朝昼夕方を借りて、コワーキングスペースを運営したこともありました。

お釣りの現金用意が毎日大変で途中からQR決済にしたりして。
でも、通りかかったお客さんが現金しか持ってない人もいたり。
最終的に3000円/月払うと使い放題の会員制サブスクにしましたが、逆に通りかかった人は使えなくなっちゃったり。

来店時間と退店時間をメモして、時間を測って会計するのも大変でしたよね。
スプレッドシートに記入して誰が誰だかわからなくなっちゃったり、毎回お店のシステムなどを説明するのが大変だったり。
結局月額のサブスクにしてこの2つを回避したのを覚えています。

人件費にも苦労しました。
1人固定でお店をやると毎日1万円売り上げてからそれ以上が利益なので、最初から最後まで赤字でしたね。
コワーキングスペースって人さえ使わなければ黒字になるとわかったので、監視カメラとIoTキーで無人化もやりました。
結局、無人化すると初期費用が10万円ぐらい掛かるので諦めましたが、いつか無人運営にもリベンジしたいところです。

そして、一番苦労したのは集客でした。
街を歩いていても、そこにワークスペースの空席があることを伝えるのは難しく、看板を見ても入りづらく。
SNSで拡散しても、そのフォロワーさんたちが偶然その店の近くでワークスペースを探しているなんて奇跡はないし。
毎日、TwitterでXX席空いていますって投稿しては、虚しさを味わっていましたね。

ハイヤーのUberみたいに、今空いている空席だけが地図上に表示されたらいいのに。
そして、Uberみたいに全部アプリでシステムを組んでお会計も自動で終わって。
そんな、ワークスペースを運営するための時間課金アプリを探すのですがなかったですよね。
ちょうど1年前、2019年の12月のことでした。


2020年の1月には、店舗が空き時間や空席でワークスペースを運営するためのシステムアプリを作ろうと、いろいろな人に相談して。

2月にはテレワーク・テクノロジーズ株式会社が創業

3月にはガイアックスさんから出資を受けて

4月には初めてのプレスリリースでワークスペースマッチングのコンセプトを発表して、児玉さん、田端さんからの出資もあり

5月にはコロナの影響で大幅な仕様変更を決断しました。全店舗同一料金のコワーキングスペースから、個室対応のワークスペースへ。

6月にはそれらの変更に合わせてシステムを作り直し

7月にはクローズドなベータ版を出しながら店舗へ営業し

8月にベータ版ではあるもののサービスをローンチし、いきなりめざましテレビへ取り上げられ

9月にはスペース提供店舗はチェーン店もあった方がいいと、アライアンス営業を開始し

10月には充てにしていた資金調達が政治力で消え去り、プロダクトだけではなく政治の重要さを思い知り

11月には有償SOの募集で運転資金を確保して

12月にはIVS主催のLAUNCHPAD SaaSで「テレスペ」のコンセプトを発表して。


振り返るとこれまでの苦労や障壁は全てが点のように繋がっていて。

その時には辛い思いをしたことも、その時にはネガティブに捉えていたことも、今のテレスペを作っている素になっていて。むしろ自分が大変な思いをしたからこそ、それを簡単に解決するアプリを作ろうとしているわけで。


LAUNCHPAD SaaSの予選を通じて「何が今までのスペースシェアと違うのか」「何が新しいのか」「何が差別化なのか」 徹底的に考えさせられたことで、初めてテレスペを客観的に見つめる時間が取れましたよね。

空いている席をワークスペースにするサービスを集めたら18社もあって。でも、よく見たら予約機能がないのはテレスペぐらいで。

色々と調べた結果分かったのは、スペースマーケットやスペイシーのようなレンタルスペースサービスを、用途をワークスペースに絞り込んだサービスだと思われていたことがわかり。


・ワークスペース運営にかかる全てのシステムをアプリだけで搭載
・今空いている空席が地図上に表示されるUberみたいなアプリ


この2つからスタートした自分達からすると「そーだったのか!!レンタルスペースに見えるのか!!」とやっとわかりましたよね。

自分にとっては転機になり、「オフィスと在宅以外で働く場所」を提供して喜んでもらえたら、空席でも空室でも貸し借りでもなんでもいいような気もして来ました。

予約不要のドロップインワークスペース『テレスペ』

こんな感じでしょうか。
今日まで振り返るとこんな感じです。

昨日、会社の納会だったのでここまでを振り返ろうという気分になりました。

2021年は、1月の中頃には正式ローンチしつつ、これまではスペースを提供する側の改造をメインにやっていたので、利用者側に合わせた改造もやっていかなければ。

とりあえず複数人チェックイン対応、行く直前に20分ぐらい席をキープする機能、間違えてボタンを押した時に1分以内ならキャンセルできる機能、などなどたくさん意見もらっていて、全部は実装しませんが、痛みが深い順番に実装していきたいと思っています。

雰囲気的には、1人利用より打ち合わせや会議や商談の方が困ってるっぽい。


集客を増やしたい店舗さんや、社員にワークスペースを提供したい法人さんなど、どうぞお声がけください。オフィス分散の相談をしたい法人さんもシェアオフィスの選定や1人あたりに必要な席数など丸っとコンサルやります。
https://telewor.com/

2020年、素敵な1年でした。
残り数日、良いお歳をおすごしください。


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