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テレワークにかかる、企業と従業員のニーズについて初歩的な整理

 2年前は「日本ではテレワーク普及に10年かかる」と言われ、今では「日本ではコロナが終わればテレワークも終わる」と言われ。後日見返す時のために、テレワークについて現在地を整理します。

1.テレワークを取り入れる企業

 最近、ニュースで原則テレワークという新しい働き方を選択する企業について見かけることがあります。例えばメルカリのテレワークに対する反応を時系列別に拾ってくると、

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いやもうお手本のような外部環境対応。

コロナ前:テレワークはまあ、ねぇ。

コロナ直後:在宅含めて色々テストする

アフターコロナ睨んで:どこでも働けるように

2.働く人たちは?

 オフィス完全復帰なら4割転職検討

少なくとも週に1日自宅で働いている米国人が調査から2カ月後の8月にオフィスへの完全復帰を求められた場合の対応を聞いたところ「58%が雇用主の指示に従うと答えたものの、36%は指示には従うが自宅でできる仕事を探し始め、6%は辞めると回答した」と明らかにしている。

 めちゃくちゃ面白いですね。米国のデータなので日本に当てはまるかは知りませんが、働く従業員は「100%オフィス出社はもう嫌だ」と思っている人が多いと。

 そりそうですよね、毎日満員電車で往復出社してた頃に比べると時間に余裕もできたでしょうし、余計な飲み会とか、余計な人間関係とか、服とか、さまざまなメリットがテレワークにはありました。もちろん、その反面のデメリットもありますが。

3.テレワークを取り入れない企業は?

 企業は、テレワークに反対しているわけではないんです。企業は、生産性高く働いて欲しい、会社を利益を稼ぎ出す強い組織にして、従業員や株主に還元したい、そう思ってるだけです。ただ、経営層がおじいちゃんだと、肌感覚が無いんですよね。

 肌感覚が効かないおじいちゃんに必要なものはファクトですよね。テレワークを導入したら生産性が上がったとか、データでテレワーク導入企業の方が生産性高いとか、テレワーク導入した方が優秀な人材が確保できるとか、退職理由の2割はテレワークしたいからとか。

 そうしたファクトやデータで固められると、流石にテレワークは進んでいくと。こう言うと必ず、そうは言ってもテレワークできない職種もあると言う人もいます。当たり前のことですね。

・テレワークできる仕事

・テレワークできない仕事

・その中間で、今はできないけどできるようになる仕事

3つに分けた上で、まずはテレワークを推進すると決めることが先だと思います。できることからやればいい。おじいちゃんたちは、そうじゃなくて(株主総会で怒られるまでは)やりたくない。

4.初期的な整理として

 結局、ハイブリッドになると言うのが現時点の着地点かと思います。我々テレスペも企業向けのテレワーク個室を提供しているのでさまざまな企業さんと話しますが、在宅と出社とサテライト、3つのmixになると話すとだいたいみなさんアグリーです。

 出社ってやはり仕事しやすいんですよね、通勤の生産性は悪いけれどもいざ出社してしまえば全てのデータにアクセスできて、印鑑も書類もある。同僚を顔を合わせて無駄話をしたり、帰りにちょっとご飯食べたり、MPの回復にも役立つ。

 在宅ワークも最高ですよね、寝起き1分でコーヒー啜りながらメールチェックと1日のスケジュールを確認して。一通り仕事してからシャワー浴びてすぐ仕事。あの満員電車通勤の修行はなんだったのか。暑さや寒さが苦手な人も、自分用に空調が調整できますし、パワハラもセクハラもなし。打ち合わせの往復で2時間消費することもないし、その分時間に余裕ができるし。

 サテライトワークも大好きです。家でも会社でもない空間で働くなんともいえない多幸感、ちょっと雑多なオープンスペースの方が集中できる人(わたし)もいれば、人の声がしない個室じゃないと嫌だと言う人もいて。

 それぞれ3つ全部違って全部いいところがあるので週5日間を、会社と自分で自由にデザインすればいいわけで。

 テレワークで失うものもあるし、得るものもある。そんなことはわかりきっているので論点はそこではなく、今後の会社の生産性、優秀な人材の確保、既存社員のライフワークバランス、ステークホルダー全体のQOLを考えると。

 テレワークを選択した上でオフィスを縮小し、浮いた家賃を原資にコミュニケーションツールやサテライトオフィス代に投資をしていく。そうして3年後、5年後に、新しい働き方で生産性を向上させる。

 テレワークの現在地はこの辺でしょうか。

 実際にコロナが収まってみないとわかりませんが、100か0かの議論じゃないことはもうみんな知っているわけで、その影響で田舎に広い家で住めたりとか、満員電車が解消されたりとか、駅から徒歩X分の家賃優位性が無くなったりとか、付帯する新しい産業も伸びていくわけで。

 そんな時に「日本ではコロナが終わればテレワークも終わる」なんていうおじちゃんにはならないことを、切(せつ)に願います。

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