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固形石鹸といえばコレでしょう!
「固形の石鹸ってある〜?」
夕方、洗面所から家人の声が聞こえてきた。固形石鹸は何種類か備蓄してあるけど、ここ数年出番なんてものは無かった。
さぁ、お前たち!出番がきたよ!
ってなもんで、得意げに次々と家人の前に並べられていくアイツらたち。
と、そんな予定だったはずなんだけど、なんだかよくわからないうちに、次々と家人の手に石鹸は積み重ねられていた。普段押し込めていたワタシの中のなんやらかんやらが、無意識のうちに行動として現れていたのかもしれない。
てんこ盛りになった石鹸を落とさないように一生懸命持っている家人を見て「もっともっとここに石鹸があったらよかったのに」と、持ちきれないほどの石鹸が無かったことを悔やむワタシ。そんなワタシの心に微塵も気付くことなく、家人の質問が飛んできた。
「この牛乳石鹸の赤箱と青箱って何がちがうん?」
そんな初歩的な質問に対して「こんなに色々な会社の石鹸をてんこ盛りにしてやったのにも関わらず、メジャーブランドを選ぶとは…。新しいものに挑戦してこその人生じゃないのか?あぁん?」
とは決して口にはしない。だってオトナだから。
「赤箱がしっとりで、青箱がさっぱりらしいけど。」
「じゃぁ、赤箱にするわ~」
「で、何用の石鹸なん?」
「顔洗うの、固形石鹸にしようと思って」
ほうほう
「じゃぁ、こんなんもあるで_」
「なになに?」
「ウタマロ石鹼」
「へー、なんか特徴あるん?」
「靴下の汚れが真っ白に落ちるで」
「顔洗いたいだけやから止めとくわ…」
ちぇっ。
お風呂場に入っていく家人の背中に向かい、もう一声アドバイスをしておくことにした。
「ウタマロ石鹼で毎日顔洗ってます☆って言ったら、ウケるんちゃうかな~?」
「そんなウケなんかいらん~」
そう言い残して家人は風呂場へと消えて行ったのであった…
(ΦωΦ) オモシロク ナイ ヤツメ
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