平和な日常でも油断大敵
お昼を少し過ぎた頃、台所から「うわっ」という子の声がリビングに居るワタシのもとに聞こえてきた。
冷蔵庫を開けているところは見ていたので、何かが落下した音が聞こえたわけじゃないけど「え?なんか落とした?」と、とりあえず確認してみることに。
もしかして、命の水 が尽きてしまったのか?!
ーーーー命の水とはコチラーーー
ーーー
と、ふと頭をよぎったけど、命の水はつい3日ほど前に買い物に行った家人が3本ほど調達していたのを見たし、あの時冷蔵庫内に在庫もあったはず。それに空容器はあれから1度しか見ていないので、在庫切れとも考えにくい。
でも、子が冷蔵庫を開けて緊急事態宣言を出すとしたら命の水が関係していること以外は考えられない。
「え?もしかして命の水きれたん?」
「いや、違う。大丈夫。まだあるから」
「やでなー。で、何か変な物でも入ってた?」
「ちゃうねん、今手に持ってる命の水のほかにあと3本あるんやけど、3本全部賞味期限が明日までやねん」
「あぁー …」
「やろー …」
「今手に持ってるやつは後どれくらい残ってるん?」
「これはあと半分ちょっとかな」
「あぁー …」
「めっちゃ飲まなあかんなぁ」
「賞味期限やから多少切れても大丈夫やけど、今日から命の水の消費量を増やさなあかんで」
「わかった」
「まぁ、買い物初心者やからそんなこともあるわな」
そんなやり取りをしていると、向こうの部屋から家人が変な動きをしながら登場してきた。
「命の水がどうって聞こえたけど、もう無くなったん?」
家人の動きにを綺麗さっぱりと無かったことにしながら子が答える
「ちゃうねん、残り3本の賞味期限が明日までやねん」
「だから、みんなで頑張って飲むぞーって話」
ワタシも色々とスルーして会話に参加する。
「そうか。じゃぁ、命の水消費するの手伝うわな」
しかし、そういった後、家人はこう付け加えた。
「命の水500ml以上飲むとお腹壊すけどな(ドヤァ」
いや、そんな自慢いらんし。なんなら参加してくれなくても大丈夫。ただでさえトイレを自分の個室のように使って出てこないアナタの籠城時間がこれ以上増えると、残りのメンバーにはちょっとかなり死活問題。
「いや、いらん。参加してくれなくて大丈夫。帰れ!今すぐ帰れ!」
「そんなこと言わんと~。手伝うって言ってるヤーン」
「いらんわ!」
「あ、わかった。じゃぁ夕飯に命の水を活用するわ☆(ドヤァ」
最近、我が家では家人が夕飯を作ってくれている。
凝り性な家人は先週あたりから煮干しや昆布、鰹節を入荷してダシにもこだわり始めた。それにワタシが作るごはんよりも色々な食材が使われているので、食卓のバランスも非常にいい感じで本当にありがたい。
しかし
家人は人の言う事を聞かない。
多分、座右の銘は
「人の言うとおりにはしたくない」
に違いないはずだとワタシは常々感じている。
料理でさえその生きざまを崩さない家人。なので、レシピに含まれていない食材を投入するという困った習性がある。どこまでもその姿勢を貫く姿はある意味尊敬に値する。
しかし、その生きざまのせいでお菓子作りに成功したことは無い。お菓子は分量が命!と何度言っても「そんなことない」と言い続けるアイツ。
と、それはおいといて。
作ってくれるおかずにもいつもリンゴだの柿だのレモンだのが不思議なところに存在している家人の料理に「命の水」が使用されるとなると、これは黙っていては危険だ。
「いらん。絶対にいらん。ご飯にいれたら怒る。それにお腹痛くなるのわかってるなら、参加資格は無し!はい撤収!今すぐに!仕事仕事!」
「ひどい~~」
とクルクル回りながらフェードアウトしていった家人が冷蔵庫に近寄る度に監視し、威嚇し続けたのは言うまでもない。
(ΦωΦ) フツウガイイノヨ フツウガ…
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