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台所で格闘していたワタシを今すぐに思い出すんだ

お昼ご飯を食べ終わり、食休みも済みつつある午後2時半。
負けられない闘いが 今 始まる!!!

研ぎなおした包丁を手にしたワタシは、大量の敵と対峙している。敵とはそう、追熟の済んだトマトたちだ。


湯剥きにしてやろうか!


と威嚇してみたが、トマトからの反応は無い(当たり前)

それどころか、部屋にいる我が家の構成員すべての反応も無く、
「親の顔が見て見たいわ…」とつぶやいたところ「鏡見てき」と的確な返事が返ってきた。聞こえてますやん…

気を取り直して、トマトを手に取ってみると、湯剥きするにはまだヘタのまわりが堅そう。これは最後の最後で普通に剥くことになる、あからさまなワナである。なので、お湯を沸かすのは面倒だし、洗い物も増えそうだったので、強引に剥くことにした午後2時35分。

時間は特に意味はない。

ザックザックと皮をむいたトマトを小さく切り、手元にあった、先ほど洗った鍋に入れていく。

ボウルを出さないのは、新たな洗い物を出したくないからだ。

大きめの鍋で玉ねぎとひき肉を炒め、調味料を入れた後にトマトを入れてグツグツと煮込んでいく。

ぐつぐつぐつぐつ

グツグツいう鍋を混ぜていると、あの鍋が欲しくなる。そう、魔女がよく使っている底の丸い鍋だ。あの鍋で、木べらを使ってグツグツと煮込んでみたい。中身が緑色とかだったら、もうサイコー!

いつも通りな感じでしょうもない事を考えつつ、水分を飛ばすべくぐつぐつと煮込み続けていると家人がやってきた。

「これのにおいか~!換気扇で家の外に出されたにおいが、窓から帰ってきて、めちゃくちゃなんとも言えないにおいに襲われてるんやけど…」


しらんがな。

「窓閉めなはれ。」


コンロの熱で、あったまりにあったまった台所で作業をしているワタシからは、汗と共に優しさの成分はどこかへ旅立ってしまったようだ。あぁ、残り少ない優しさ成分よ…(←

と、優しさ成分の残量を確認していると、またもや家人がやってきた。


「換気扇で出されたにおいが、窓から帰ってきてるんやけど」


しってる。だってそれ、さっきも聞いたから。

「窓閉めなはれ」


あぁ、暑い暑い。汗を拭きつつもうひと煮立ちかな~と鍋をかきまぜていると、またしても家人がやってきた。


「換気扇で・・・」


優しさ成分はすべてどこかへ行ってしまったワタシに挑戦を挑むとは、命知らずなヤツだ。


暑い台所で作業してるワタシにかける言葉はそれではない
晩御飯担当、丸投げしちゃうぞ☆

「あと5分くらいやから、もうちょっと待たんかい」


と、そうこうしているうちに、ミートソースが完成した。


晩御飯は、畑のトマトをふんだんに使ったミートソースに、畑のナスを大量に入れた「畑スペシャルスパゲッティ」だ。

「おぉ~、今日は畑の野菜ふんだんに使われてるな~」

と 美味しい美味しいと喜びながらパスタを食べつつ家人が一言。


「で、ソースはどこの缶詰?」


(ΦωΦ) シバクデ?


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