方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :1月20日
23日は、世界で初めて武漢がロックダウンを始めた日から1年となる。なんとも慌ただしく過ぎた1年だった。今の日本社会の関心は、いつから日本でもワクチン接種が始まるのか、ではないだろうか。緊急事態宣言による飲食業の制限が少しでも功を奏して、時間稼ぎができ、ワクチン接種の段階に繋がることを祈るばかりだ。
西村さんと河野さんが登場した意味
西村経済再生担当大臣がコロナ対策担当相となり、河野行政改革担当大臣がワクチン接種担当相となった意味を我々はもう少し考えるべきかと思う。本来は、どちらの仕事も田村厚生労働大臣の責任の元に行うべき業務だろう。医療現場がどれだけ耐えられるかを把握し、緊急事態宣言を何処に発出するか、まさに、厚労省がその専門・責務の元に実施すべき事柄だ。ワクチンの認可も厚労省の仕事であり、それが未だに結果が出ない状況で、其の先を任せることができないために河野行革大臣にワクチン接種担当を委嘱した、と考えるべきだろう。
厚労省技官は医者である。専門家というのは、問題の細部が解るがゆえにしばしば保守的な考え方しかできない傾向がある。外務省が良い例であり、例えばチャイナ・スクールの官僚は中国と仲良くすることしかできない。対決するような発想、行動は取れない傾向がある。厚労省も医者、医療現場と対立するような政策を考えることは難しいのだ。良く「ムラ」という表現がなされる通り、そのコミュニティの中の利害や発想に縛られがちになる。ムラの改革はムラの中の人間にはできないのだ。
だからこそ、経済財政政策の担当相や行政改革の担当相が、医療の現場を動かすようなリーダーシップを取らざるを得ないのだ。逆に考えれば、この二人が出てきたということで、菅内閣の本気度が解る。
夏頃になすべきだったことがやっと分かってきた
遅くなったとはいえ、本来多少なりとも余裕の有った時期になすべきだったことが最近少しずつ明らかになってきたように思う。それは、
・8割の民間医療機関を巻き込むための制度
・新型インフルエンザ特別措置法の改正
の2点だ。この2点に手をつけていれば、医療の現場に現状よりもう少し余裕をもたせられたはずである。後出しで批判をするのは容易だが、為すべきだったことが分かった時から始めても遅くはない、と考えるべきだ。単に批判をするのではなく、為すべきことが出来るように協力するのが主権者の権利であり、義務だろう。
後ろ向きではなくポジティブになろう
外野のエースが登場していることで、難しい状況が好転するかもしれないと期待して良いのではないか。日々のスナップショットの数字ばかりで危機を煽るメディアを無視し、時系列の各数字の変化を正しく理解しながら一人ひとりがなすべきことをする、それが良い結果への道だと考える。
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