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方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :12月23日

 今日は一日神社めぐりをしていたので、昼間はあまりインターネットを見ることもなかった。午前中は水天宮で、息子達の嫁二人の安産祈願をお願いし、午後は早稲田の穴八幡で一陽来復のお守りを授かって来た。

 夕方帰宅してツイッターで見つけたのが、三浦瑠麗さんの投稿である。山猫日記という彼女のブログに『有事への対応ができない日本というシステムーー日本における「医療崩壊」の危機とは』という記事を書かれていた。ここ数日医療崩壊の危機が叫ばれる中で、欧米に比較して感染者数も重傷者数も桁で少ない日本で、何故医療崩壊に直面するのか、今ひとつ腹落ちしていなかったのだが、三浦氏の記事で明確に理解することができた。私にとっては我が意を得たりという内容だったので、記録しておく。

公的医療機関にしわ寄せが行っている現状

 病床数だけでいえば、日本は欧米の先進諸国よりも多いそうだ。ただ、ICU数は少ない。従って、危機対応としては、通常病棟をICUの病棟に変換出来る能力を持たねばならなかったが、其の準備が出来ていなかった。

 また、現状のコロナ対応は公立の病院と一部の民間病院が担っているが、日本の病院の8割は民間病院なので、ごく一部の医療関係者に負荷が集中しており、その平準化が出来ていない。

 この2点が主な要因のようだ。新聞等によれば、政府が民間医療機関に対して命令をする法的権限はなく、あくまで依頼をするだけである。従って、上記2点を実現するために、もう少し強く指示ができるような法的整備も必要だったのだろう。

 4月の緊急事態宣言で「時間的猶予」を得たので、その猶予の間に準備すべきことが上記2点だったのだろうと考える。

無責任なメディアの作った被害

 本来であれば、これらの本質的な課題を解決すべく、問題点として広く国民に周知し、政府や自治体の対応を促すのがメディアに求められる役割だったはずだ。しかし、残念なことにTVも新聞も、多くのインターネットメディアも、新規感染者数の増減ばかり日々センセーショナルに取り上げ、危機を煽るばかりだった。野党も政争の具(批判材料)としてこれらの数を取り上げるばかりで、本質的な解決に向けた建設的議論を進める気配すらなかった。結果として、政府・自治体は目先の対応策に追われ、「時間的猶予」の中で本質的な解決策に取り組むことが出来なかった。その主な原因は、センセーショナルに危機を煽ることばかりに注力してきたメディアにあると言える。

 医療関係者の献身的な努力には、国民全員が感謝し、少しでも迷惑を書けないように心がけるのは勿論だが、一部の医療関係者の過負荷を生み出し、本質的な解決策から人々の眼を遠ざけているメディアの罪も明らかにせねばならないだろう。危機の中で見えてきたことを忘れてはならない。

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