17. THE STAR / オリジナルタロットカード解説
オリジナルタロット版のカードに込めた物語
痛くて声も出ない。
愚者は意識が戻っても動き出すことが出来ずにいた。
真っ暗な深い底、もう這いあがる気力さえない。
「もうどうにでもなれ」
再び目を閉じようとしたとき、あたりをやさしい光が包み始めた。
どこからか声がする。
「やっと一緒になれた」
どこか懐かしいあたたかい声。あれは誰の声だろう。
「ほら、見てよ、沢山あるよ」
声の方を見ると、女の子がたくさんの星を抱えて僕をみていた。
あったかい星たち。
いつまでも湧き続ける星を僕は二人で眺め続けた。
タロットカードにおける『星』の意味
タロットカード本来の意味に加えて、私版のオリジナルタロットの解釈も載せています。広義では同じ意味ですので、どちらを採用してもらっても構いません。ピンときたものを受け取ってください。
タロットカード本来の『星』の意味
オリジナルタロット版『星』の意味
これは私独自の解釈なので少し飛躍してる部分があります。
愚者が『自分を知ろう』と自分と向き合うことを決め、自分の中に飛び込んでいく旅です。その旅路の途中で、色んなことを思い出してきた愚者、それらを内包するように色んなものが計らいとして表れ始め、やがて愚者が作り上げてしまった『価値観』の塔が崩れ去っていきました。
その塔は『愛は外からくるもの、与えてもらうもの』としていた愚者が追い求め続けていた作り上げてしまった檻みたなものでした。
塔が壊れたことで、愚者はこれまでのすべてを失います。外から愛がやってくると頑張り続けていたこれまで崩れ去ってしまったんです。そうしてやっと自分が『外から愛をもらう為に』と否定したり、閉じ込めてしまっていた本当の自分に出逢うことが出来るようになりました。
それが私が思う『星』です。
自分の希望の光です。
この星は1のカードmagicianが解き放った、もう一人の愚者とでもいいましょうか。ダサい、みっともないと他人の価値観で否定しまっていた愚者自身ですね。
愚者に愛してほしかったのは、愚者が否定してしまっている自分なんです。
他者の価値観で作り上げてしまった塔が崩壊した今、愚者はやっと自分を受け入れられるようになりました。
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2024年4月5日
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