リセットの破壊力

病気が良くなってるのは嬉しかったが、また地獄の妊活に戻るのが怖かった。

そんな心配をし始める頃に、妊活のお許しが出た。
今からokですよ!というより、ここまで数値が下げれたら絶対的に危ない状況じゃないので、できちゃったらすぐ薬止めないといけないので連絡してくださいって感じだった。

できちゃったら…か、普通の人は自然に行為をするもんなんだろうな、と毎回その言葉に少し落ち込んだ。

私の母も姉もすんなり子供ができたし、家系に不妊の人はいない。
なんなら40歳を超えた叔母も結婚してすぐにすんなり自然妊娠した。

私もその遺伝子だと思ってたし、周りに不妊の人もいないからそうだと思ってた。

ところが、痛みに耐えて何度も頑張ったが擦りもしない!

いろいろ文献も読んで確率を上げるために出来ることは全部やったし、タイミングもバッチリ合わせてもらったのに一切妊娠しない!

クリニックの先生は「今までは、バセドウ病で妊娠できる数値ではなかったでしょう?不妊じゃない人でも確率的に半年はかかるものだからもう少しトライしてもいいし、すぐに子供が欲しいと思うようなら卵管造影検査をして人工受精も視野に入れてもいいですよ。」と。

通っていたクリニックでは人工受精の前に必ず卵管造影・子宮鏡検査をしないといけなかった。

以前までの私なら、「入ったらできるのに!挿入が難しいからクリニックにかかったのであって、それより先の卵管のこと調べたって、行為がスムーズになるわけじゃないし!まだ処女を卒業してばかりなのに、どうしてそんな痛い検査をしないといけないの?」と思っていたが、すでにそんな自信は砕かれていた。

行為ができた時にバセドウ病になった自分の体を一切信用できなくなっていた。

普通の人が気持ち良いはずの行為でさえ、私にとっては激痛なのに卵管造影なんかしたらどうなるのだろう?と思って怯えていたが、リセットを繰り返し、心が砕かれていくうちに、

これ以上、心が痛いのは耐えられない。まだ体が痛いのは耐えられる、と思うようになった。

あの痛がりの私が、勇気を出して卵管造影に踏み切ったわけではなく、繰り返すリセットでもう心が先に限界を迎えた結果だった。

先生に話して、すぐ卵管造影の予約をした。もう、あとには引けない。

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