日記｜もっともっと好きになれる

何日もストリップのことを考えている。わたしはストリッパーの黒井ひとみさんが好きだ。

ストリップ劇場に通い始めて2年、ひとみさんとはたくさんの対話を重ねてきたような気がする。実際には「きょうもよかったです」「ありがとう」くらいしか話したことがないので完全に妄想だけれど、ひとみさんがステージ上でみせる目や表情にはそういう不思議な力があって、演目中の大きな感動は誰かとわかり合えたときのよろこびに似ている。

先週は、池袋ミカド劇場で黒井ひとみさんの演目『カルメン』を観た。時折見せる流し目と少し汗ばんだ肌が美しい。
ポラ撮影の際に色気が凄かったことを伝えると、「ええっ」と小さく驚いて遠慮がちに「アヤちゃんしか思ってないよ」と言うので「劇場内みんな思ってます」と強めに言った。

最後はオープンショー。わたしは、ひとみさんがチップを受け取っている姿をみるのが好きだ。両手を広げて迎えるひとみさんも、低い姿勢でステージに近寄っていく観客たちも、みんな笑っているのがわかる。わたしも1枚差し出して、笑顔のまま席へ戻った。

観客一人一人に手を振るひとみさんの姿は輝いていて、もっともっと好きになれると思った。

特別になれないことも特別で泣きながらたましいを見せ合う／アライアヤ