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オートオークション会場レポ(後編)

こんにちは、狩俣です。荒井商事について紹介する私の連載企画も、ついに最終回を迎えました!記事を読んでくださった方、ありがとうございます。前回はオークション会場の紹介でした。第3弾後編となる今回は、現場スタッフへのインタビュー内容をお届けします!お相手はベイサイド会場にて営業担当をしている、係長の安田 聖史(やすだ まさふみ)さん。もうすぐ入社10年目となるベテラン社員の安田さんには、主に現場での仕事内容、やりがい等について質問させていただきました。それではどうぞ!

【狩俣 辰幸(かりまた たつゆき)】
現在就活中、商社業界志望の大学生。現在は荒井商事株式会社にてインターン中。人事部のアシスタントとしてnoteの記事の執筆を担当。

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【安田 聖史(やすだ まさふみ)】
オークション・カンパニー ベイサイド支店 営業課に所属。車好きが高じて荒井商事に新卒で入社。小山会場勤務や経理課配属を経て現在に至る。好きな車はスカイラインGT-R。

Q.中古車オークション事業の存在意義とはなんでしょうか?
オークション業界というのは、日本ひいては世界の自動車流通において根幹を成しているものです。例えば日本全国の中古車のうち約80~90%は、120か所ほどある全国のオークション会場から流通しています。なので、このオークション事業は自動車業界という大きな枠の中で柱となっていると言えるでしょう。
  
Q.車の売り手はどこから来るのでしょうか?
ディーラー、大手買取店、中古車販売店、リース業者(カーシェアなど)が中心です。一般の方が来ることはないです。当社のオークションは会員制なのですが、会員資格には古物商、つまり中古車を扱える免許が必要なので、車を生業とする企業(100%法人)の方のみとなっています。
 
Q.買われた車の行く先(使われる場所)は?
国内で中古車販売として再販されるか、スクラップとして解体されるか、海外への輸出。大きくこの3つになります。特に海外の輸出は重要で、例えば日本の救急車や幼稚園のバスなんかも海外に輸出されていて、現地で利用されていますよ。

Q.オークションに来る顧客の職業・国籍の割合について知りたいです。
会場によっても異なると思いますが、ベイサイド会場の場合は中小企業の社長さんや、各販社の担当者さんなどが多いです。毎週250社ほど来ていただくのですが、そのうちの6割、大体150社ぐらいは日本の方です。それ以外の4割、約100社は外国の方になりますが、国籍はパキスタンの方がとても多いですね。パキスタンではロシア、アフリカ、中東、南米など世界中に自動車を輸出していて、中古車販売に携わる人が多いのが特徴です。中東地域の国はその傾向が強いと言えます。そして2番目に多いのがスリランカ、それに続いてロシアなどの諸外国からの方ですね。
 
Q.オークション会場の現場で英語力は必要になりますか?
それが、取引をされる外国人の方は基本的に日本語が話せるんですよ。やりとりの90%は日本語という感じですね。オークションに参加するには日本に法人がある企業でないといけないので、必然的に皆さん日本語が得意でいらっしゃいます。もちろん、英語を話せる人はコミュニケーションに役立つと思いますが、基本は日本語が使われています。
  
Q.外国人の方が多いことによる影響などはあるのでしょうか?
外国人がたくさんいることで、彼らがいなくなると相場が一気に下がってしまうんです。例えばある自動車がオークションで50万円の場合、この50万にはいろんな需要があってこの価格になっているわけです。しかし今回のような、新型コロナウイルスの影響で海外のバイヤーさんが来れないといった事態になると、彼らからの需要がなくなってしまうので価格も20万ほどに下がってしまいます。このような事態が起こり得るのが課題ですね…

Q.現在進行している事業などがあれば教えてください。
現在取り組んでいるのが「サテライトヤード」というものです。オークションは通常、その会場に車を持っていかなければいけないんですよ。それを北海道や沖縄など遠隔地からでも映像を通してオークションに参加できるシステムを整えています。本日もセリ会場は川崎ですが、沖縄からも100台出品してもらっています。

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Q.1日の主な流れについて教えてください。
流れとしては大きく分けて2つ、オークション日とそれ以外の日に分けられます。
 
まずオークション日以外の通常日ですと、僕の場合基本的には営業になります。まず9:00に出社し、9:30頃まではメールチェック、取引先への電話などが主な業務ですね。10:00になると営業として外回りに行きます。お客様は出品店さん(ディーラー)、または海外のバイヤーさん、大手小売店さんなどで、事前にアポ取りした訪問先を訪ねて回ります。大体17時頃まで商談をし、会社に戻ります。そこからまた30分ほどは再びメールチェックや次のアポ取り、落札車両のチェックなどをし、17:30に帰宅という感じです。
 
そしてオークション日の流れですが、通常日とは異なります。まず8:30に出社し開始時刻までお客様を出迎える、または問い合わせの対応などを行います。オークションが行われるのは大体10:00~15:00で、その間は機械による競りの調整や、商談コーナーの対応などの業務に当たります。15:00過ぎからはその日のオークションの締め業務、例えば落札車両の陸送の手配などが仕事ですね。17:00にそれが終わると、最後にその週の報告及び次週の計画についての営業ミーティングを行います。そして18:30に帰宅となります。

Q.取引先と方々とやっていく上で大切なこと・気を付けていることはありますか?
やっぱり「信頼を得る」ことが大事ですね。この中古車オークションの業界ってライバル業者さんがすごく多いんですけど、その中で勝つためには取引先の方たちに信頼されて「君の会社に出品するよ」と言ってもらうことが必要不可欠になります。当社では、業界では珍しくバイヤーの方にも担当がついていて、細かい対応や相談を逐一行っています。その中で誠実な姿勢、行動を示すことがお客様の信頼を獲得することに繋がると思っています。
 
Q.そのような現場で求められる能力とは?
当たり前の事を当たり前にやること。知識に関しては、最初は無い人がほとんどなので仕事の中で身につけていけば大丈夫です。それよりも、指示されたことをその通りにこなせる、といった基本的な能力が重要だと言えます。
あとは、世界情勢を日頃から把握しておくことですね。僕の場合、毎週輸出データというものを作っているんですが、当然外国の情勢が関わってきます。なので、関連するニュースはチェックするようにしています。現在だとロックダウンしている国はどこか、といった情報などですかね。
  
Q.この仕事の魅力はなんでしょうか?
車って、生活するうえで誰にとっても重要なものだと思うんですけど、その流通を支えられているという実感が得られることが大きいです。当社のアライオートグループで出品してもらった車が、日本から遠く離れた外国の地で利用されている、そのグローバルな事業に関われるのが魅力です。
あと個人的な話なんですが、僕自身ものすごく車が好きなんです(笑)。そんな大好きな車に携われる仕事なので、とてもやりがいを感じています。
 
安田さん、本日はどうもありがとうございました!