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原則14「"イエス"と答えられる問題を選ぶ」|人を動かす

皆さんどうも、才です。今回の原則は心構えではなく、テクニカル寄りのものになります!早速紹介しますね。


ソクラテス式問答法

ソクラテスは、相手の誤りを指摘するようなことは、決してやらなかった。いわゆる  "ソクラテス式問答法" で、相手から、"イエス" と言う答えを引き出すことを主眼としていた。まず、相手が "イエス" と言わざるをえない質問をする。次の質問でもまた "イエス" と言わせ、次から次へと "イエス" を重ねて言わせる。相手が気づいた時には、最初に否定していた問題に対して、いつの間にか "イエス" と答えてしまっているのだ。

この、"ソクラテス式問答法" は、心理学でいう「一貫性の法則」を利用したもので、"イエスハット法" などとも呼ばれていて、営業の交渉などにも応用されているそうです。

わかりやすいように例を示しますね。本書に登場する例を簡易化したものになります。

あなたはモーターを売るセールスマンです。ある日、モーターを売った企業さんからクレームが入りました。

「君の会社のモーターはもうごめんだ!」
「いったいどういうわけですか?」
「君の会社のモーターは、焼けすぎて、うっかり触りもできない!」

ここから "ソクラテス式問答法" スタートです。

「あなたがそうおっしゃるのは尤もです。協会の決めた基準よりも熱くならない製品を選ぶのが当然です。そうでしょう?」
「そうだ」
「協会の規格ではモーターの温度が、室内温度より40度まで高くなることは認められていますよね?」
「ああ、そうだ。その通りだが、あのモーターはもっと熱くなる」
「...工場内の温度は何度ぐらいでしょう?」
「24度ぐらいだろうな」
「では、工場内の温度を24度して、それに40度加えると64度になります。64度のお湯に手を入れると、やけどしますよね?」
「...そうだね」
「そうなると、モーターには、手を触れないように気をつけないと、やけどをしますね」
「...なるほど。君の言う通りだ」

こんな感じです。ちなみにこの対応には、原則10「議論を避ける」原則11「誤りを指摘しない」も上手に組み込まれているのがお分かりでしょうか?相手を否定はせずとも、最後には相手自身が自分の主張を否定しています。


人間は "イエス" の方が言いやすい

これらは心理学てきなテクニックとして知られていますが、カーネギーは実際、人間は "ノー" と言う方が大変だと言っています。

人間が本気になって "ノー" と言う時には、単にその言葉を口にするだけでなく、同時にさまざまなことをやっているのだ。各種の分泌腺、神経、筋肉などの全組織を挙げて、一斉に拒否体制を固める。
...
つまり、神経と筋肉の全組織が拒否の体制をとるのだ。ところが、"イエス" と言う場合には、こういう現象はまったく起こらない。体の組織が、進んで物事を受け入れようとする体勢になる。

ほうほう。肯定する方が身体的な負担も小さいんですね。これは私の推論ですが、否定してしまうと、その後自分の意見を主張しなければならない場合も多いので、肯定の方が楽ってこともありそうですよね。


ソクラテス式問答法の使用上の注意

ちなみにこの方法、話をある方向に進めるのには効果的ですが、話を広げるにはそんなに向いてないので注意が必要です。いわゆる、クローズドクエスチョンというものです。これに対して、オープンクエスチョンなるものもあります。

クローズドクエスチョン
→「はい」または「いいえ」で答える質問
例:「あなたは寿司が好きですか?」

オープンクエスチョン
→答えに幅を持たせられる質問
例:「あなたはなんの寿司ネタが好きですか?」

一般的には話を広げるにはオープンクエスチョンの方が向いていると言われています。ただ、初対面の時など、相手と打ち解けて安心感を得たい場面ではクローズドクエスチョンが有効になったりもします。ああ会話って難しい。笑

本書の主旨からそれてしまいました...。とにかく、この相手に "イエス" と言わせていく "ソクラテス式問答法" 、是非テクニックとして使ってみたいものですね。


それでは今回はこの辺で!ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

「柔よく剛を制す」
ー 中国のことわざ ー

原則14:相手が即座に"イエス"と答える問題を選ぶ。

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