今日の科学 6月13日
2010年6月13日は、JAXAの小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還した日です。
はやぶさは小惑星イトカワを探査し、地球まで戻ってきました。そして、イトカワのサンプルの入ったカプセルをオーストラリアのウーメラ砂漠まで届けたのです。
はやぶさは2005年9月12日に目的地のイトカワに到着しました。11月に入り、2回の着陸を実施しましたが、直後に燃料漏れを起こしていることが判明し、セーフモードに入りました。地上の管制室は何とか体制を立て直そうとしましたが、12月8日に通信が途絶してしまったのです。
プロジェクトチームは帰還を3年間延ばし、はやぶさの救出運用に入りました。そして、2006年1月23日、はやぶさからの電波を受信することに成功。しかし、はやぶさの状態はあまりよくありませんでした。はやぶさの状態も考え、復路は3年かけてゆっくり地球に帰ることにしました。
復路はイオンエンジンの燃料であるキセノンを節約しながら順調に進みましたが、調子がよかったイオンエンジンが停止してしまったのです。はやぶさの帰還が危ぶまれましたが、予め組みこまれていた回路によってイオンエンジンを奇跡的に復活させることができました。
そして、2010年6月13日、はやぶさは再び、地球にたどりつきました。これまでの運用でぼろぼろになっていたはやぶさは、イトカワのサンプルを入れたカプセルを分離した後、大気圏に再突入して、明るく輝きながら燃えつきました。
はやぶさが地球に持って帰ったカプセルは無事に回収されました。中を確認すると、目に見える大きさのイトカワのサンプルはありませんでした。しかし、1500粒以上の微粒子が入っていることが確認され、史上初の小惑星サンプルリターンが達成されたのです。
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