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今日の科学 7月14日

2015年7月14日は、アメリカの探査機ニューホライズンズが冥王星に最接近した日です。冥王星は地球から約48億kmも離れたところにある天体です。ニューホライズンズが接近して観測したことで、詳しい様子が初めてわかりました。

地球から遠い場所にある冥王星は、ハッブル宇宙望遠鏡で観測してもぼやけてしまい、冥王星がどのような天体なのか、わからないままでした。その謎に挑んだのが探査機のニューホライズンズでした。ニューホライズンズは冥王星を含む太陽系外縁天体を探査するために、2006年1月に打ち上げられました。

それから10年近い歳月をかけて、冥王星から1万8000kmほどまで近づいたニューホライズンズは、すれ違いざまに冥王星を撮影した画像を地球に送りました。そこに写っていたのは、崖、渓谷、氷山など、様々な地形のある冥王星の姿でした。

特に目を引いたのが、巨大なハート型のように見える平原のエリアでした。コンピュータシミュレーションで検証してみると、このエリアは窒素を主成分とした氷の層であることがわかりました。しかも、100万年単位で表面で表面が入れ替わっていることも示されました。

これは、冥王星の内部に何らかの熱源があり、内部活動が起きている可能性があることを物語っています。太陽から離れた場所にある冥王星は、内部まで凍りついていると考えられていましたが、それが覆され、私たちは新たな冥王星像を知ることになったのです。

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