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今日の科学 6月23日

2021年6月23日は、上野動物園で双子のパンダ、シャオシャオとレイレイが生まれた日です。2頭の父はリーリー、母はシンシンです。兄であるオスのシャオシャオは1時3分に、妹のメスのレイレイは2時32分に誕生しました。上野動物園でのパンダの誕生は2017年6月12日のシャンシャン以来、約4年ぶりのことでした。

ジャイアントパンダは、現在、中国の四川省、甘粛省、陜西省の標高1300〜3500mほどの高地にある森林に生息しています。ただ、3000万年ほど前は、中国の北京からベトナムのあたりまで生息していたことがわかっていて、この頃は現在よりも標高の低い場所でも暮らしていたようです。

ジャイアントパンダが高地に移動していったのは、天敵がいなかったり、餌が豊富だったりと、いろいろな理由が考えられます。しかし、19世紀に入ってからは、人口の増加で開発が進み、住処を奪われたことが大きな原因となっています。

野生のジャイアントパンダの生息数は、1980年代は1100頭ほどでしたが、2024年1月には1900頭近くにまで増えたと発表されました。このうち、中国のジャイアントパンダ国家公園で保護されている個体が72%ほどを占めています。

上野動物園は日本で最初にジャイアントパンダを飼育した動物園です。2008年4月から3年ほど、パンダがいない時期もありましたが、2011年2月にリーリーとシンシンがやって来たことで、再び継続的にジャイアントパンダの飼育をし、中国の研究機関と協力して、研究や教育活動に取り組んでいます。

2021年6月23日に生まれたシャオシャオとレイレイは双子でした。双子が生まれてもほとんど場合、母親のパンダはどちらか1頭だけしか育てません。そこで、上野動物園では、母親が1頭を育てているときは、もう1頭を飼育員が育て、ときどき交代させることにより2頭とも育てました。

その甲斐もあり、2頭はすくすくと育ち、2023年3月には母のシンシンから離れて、2頭が同じ部屋で飼育されていましたが、最近はじゃれ合いが激しくなり、2024年4月16日から別の部屋に分けられて飼育されています。今年は1頭ずつで迎える初めての誕生日となります。

シャオシャオ
レイレイ

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