忘れっぽい私や誰かのための短い読書 1

(※自分で何かを書いて出すのは絶賛休み中なので、随時、読んでいて、かまたはこれまでに読んだ中で引っかかった本の一節を置いていく。そのほうがたまたま見かけた人にとってはなにかと使えるのでは)


 お互いに自分の過去をふりかえって、とにかくここまでやってこられたのはだれのおかげかと考えてみると、たいていは、ほめてくれた人間が頭に浮かぶのである。ある老俳人は、ほめられたからこそ、ここまで進歩したとしみじみ述懐している。ほめてくれた批評によって伸びた。けなされたことからはほとんど裨益されなかったというのである。
 友には、ほめてくれる人を選ばなくてはいけないが、これがなかなか難しい。人間は、ほめるよりもけなす方がうまくできている。いわゆる頭のいい人ほど、欠点を見つけるのがうまく、長所を発見するのがへたなようである。
 ほめられると、われわれの頭は調子に乗る。つい勢いづいて、思いもかけないことが飛び出してくる。
 (外山滋比古 「思考の整理学」ホメテヤラネバ  から)

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