忘れっぽい私や誰かのための短い読書 4-2

満月ハイ
ロバート・ルイス・スティーブンソンの「ジキル博士とハイド氏」には実在のモデルがいました。イングランドの職工、チャールズ・ハイドがその人で、ハイドは満月と新月のときに自分自身考えもつかないような犯罪を犯してしまうという奇癖の持ち主でした。カミュの「異邦人」の主人公は犯した殺人を「太陽のせいだ」といいましたが、ハイドは実際に法廷で「月のせいだ」と主張したのです。
(・・・略・・・)満月と新月の時に犯罪の発生率がピークに達するということを明らかにしたのはマイアミ大学のアーノルド・リーパー博士(精神医学)でした。(・・・略・・・)宇宙生物学にも造詣が深い博士はその事実をもとに「バイオタイド理論」を提唱しました。
(・・・略・・・)これは宇宙を、少なくとも太陽系を、自然環境の一部としてみなすべきであるとする立場から考えられた学説で、「人体は地球が天体から受ける影響と同じ影響を受けている」というもの(・・・略・・・)博士は「月の魔力」という本で「われわれは変動する宇宙の一部である。生存のためにはわれわれも宇宙の変動に合わせて ”満ちたり引いたり”しなければならない」といっています。

  上野圭一  ナチュラルハイ

 (*太字は自分がしました)

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